小学校教員というのは、ほんとーーーに無駄無駄無駄ァ!! ここまでなんで教員がやらんとならんのだァ!! と思うような仕事が山盛りで、早く働き方改革が進んでくれないかと思う日々ではあるのですが。
やっぱり、ひとつの城という学級を受け持つことは、やり甲斐のあることで。
十人十色の子供達がいるから、大声に過敏だったり、反抗期だったり、食が細すぎたり、アレルギー持ちだったり、不意に怪我したり(自分の指導で怪我に陥った際はものすごく申し訳なくなる)、病気持ちだったり、相性の悪い子同士がいつもケンケンとしていたり、私のやり方に不満を漏らしたり、特別支援が必要な子が必ずいたり、提出物を出さなかったり、などなどとイラッとくることも多々なんですけど。
でも、やっぱり「えっ。あの引っ込み思案だった子が行事の担当に名乗り出るだと!?」とか、「最初のころは漢字テストで赤点だったのに、指導したら100点とれるようになったぞ!!」とか、色々自分の言動によって成長していく様を見ていると、ほんとうに身震いするような感動を得られるもので。
まーこれがいわゆる「やり甲斐搾取」ってなもんなんですけど、とある学級文庫が人気だったらシリーズで買い揃えちゃったりしたりなんだりと、奉仕の心が生まれちゃうわけです。
私は年度の切り替えで休職(厳密にいうと最初は療養休暇を消化してからの休職。お休み中の給料とか変わってくる。休職は傷病手当でお金が出るけど、まー少なくはなるよね。旦那が「金は任せとけ!」って太鼓判押していたし、ありがたいことにわりと給与が良いとこに勤務しているので、とりあえず散財癖だけは控えようと思っています。)ということで、わりとイレギュラー。ドクターストップかかった段階や心が折れた段階で大抵の人は翌日からでらんなくなるので、私は目標が「いま持ってるクラスは最後まで!」だったもんで、途中で入院措置まで申告されたものの、それを跳ね除けて齧り付きました。
子供たちは早退しても大丈夫なようにしていましたが、保護者の方々的には私が早退三昧の持病持ちと聞いて不安や不満に思ったかもしれませんが、そこはほぼトラブルのない満足度の高めのクラスを作り上げたことで許して欲しい。
そうして自分なりに献身してきて、今日で残り一日となりました。子供達はまだ私が休職するなんて知りませんが、教室にある私の荷物を変なところに片付けたり、お偉いさんとの話し合いがあったりなんだりで、「もしかしてメイ先生、転出!?」「だってまだ一年残ってるでしょ!?(私の自治体のルールで、赴任校には基本的に最大◯年という縛りがある。もちろん例外はある。)」となっており、私は「さ〜、どうでしょ?」と受け流していたのですが、いなくなる方が確率が高いと感じているようで、ありがたいことに多くの子が別れを惜しむムードになってくれています。
年度末なんかではお別れ会と称したお楽しみ会をしますが、私は「こういうのは、やる側も、やってもらう側も楽しめるようにしなきゃならない。遠い未来、君たちがどんな仕事に就くか分からないけど、何をするにしても、自分も楽しく、周りも楽しませられる人ってのが、人生を豊かにしてくれる。生きていくのが楽しくなる。だから、全員が出し物をして楽しもう。」というモットーを掲げており、拙い部分があってもわいわいと盛り上げて楽しませてくれました。
そんな子供達ががんばってくれていたので、私は最後(といっても、もう一日あるけど)に「先生が人生で一番大事にしている言葉があります。なにかわかりますか。」と問うと、色々出た中で「ありがとう、ですか?」と答えが出たので、「そうです。みんなには沢山ありがとうと言ってきたつもりだし、思っています。だから、ありがとうを演奏します。」と、マイ楽器を出して、10年以上ぶりにフルで演奏しました。
もちろん、肺活量も超落ちているし、楽器もメンテナンスしていないので、イマイチ高音やら低音やらが安定しないし、細かな指捌きが必要だったので、初級〜中級向けの譜面ではあったものの、現役だったらありえないトチリ方をしましたが、もう演奏の始めから男子号級。
『えっ。お前さん、泣いとるんかい!?』と、譜面からなかなか目を離せないので、ちょっとした間奏(バックにありがとうの曲を流していた)に確認して驚いていたのですが、演奏が終わって顔を上げたら他にも泣いている男子がいて、友達にそれぞれ背中をぽんぽんとされていて、「うちのクラス、男子の方が情緒豊か・・・?」と思いつつ、「せんせーが演奏している姿、動画で撮りたいー!」とリクエストがあったので、「じゃー撮りたい人だけ放課後に残って。でも来週には全部消してもらうからねー(学校のきまり)」と言ってもう一度アンコールに応えました。
一緒に歌いたいという声もありましたが、もともと来週の最終日にそうするつもりだったので、「それは来週にとっておかせて〜」といっておきました。
自分の拙い演奏でも感動させられることができると分かって、また楽器をしっかり吹けるようになりたいなぁ。と思うようになりました。
来週には子供達から(今日も沢山プレゼントもらったし、寄せ書きみたいなものをもらったけど)何やらサプライズがあることを、お調子者男子から「来週楽しみにしてて!」とネタバレ?されたので、楽しみにしようと思います。
こういうところが、やっぱり辞めたくないなぁ。がんばりたいなぁ。って思っちゃうところなんですよね。大変な学級を受け持って、ものすごい反抗していたような子だって、最後には感謝の言葉を返してくれたものだから。
だからこそ、私みたいに倒れる人が現れない、教員が教員としての仕事に専念できるような環境づくりをしてもらいたいです。
残業代を出しますとか、そんなんいらんのですよ。それしたら、また倒れる人が出るじゃないですか。
残業しなくても済むくらい、仕事内容をブラッシュアップして、子供と向き合う時間に割ける、そんな学校教育現場を求めますね、私は。
でも、ここまで慕ってくれるようになった子たちも、新年度になれば、新しい担任のことを慕って私のことを忘れていくんですよね・・・それがさみしくて無常です。