通常級にいる発達障害児については今までにも色々言ってきましたが、年度末もあと少しということで改めて教育してきた私のクラスの発達障害疑惑児(疑惑なのは診断が降りていないから。)について。
ADHD疑惑(母親は確信をもっているけれど、父と父方の祖父母が認めない。こちらがADHD持ちらしい。)のある子は、物を落としたり、机上が散らかっていたりとしていますが、小まめに声掛けして、素直に聞き入れるので大分改善されました。お母さんは病院を受診したいようですが、私の下で教育を受けている間に関しては、たまーに勢い余って挙手の際に立ち上がることはあるけれど、立ち歩きはなし。持ち物の紛失だとか、宿題だとかはお母さんがよく見てくれたり、ファイリングを徹底してくれたりで、問題なし。学力も高く、授業への参加意欲も高くて挙手発言もよくするし、宿題の字も丁寧。ただ、ADHD所以か、うっかりミスがあって、なかなか満点をとれないのが可哀想なところ。けれどお母さんの頑張りの療育が実っており、学校で不足しているところはこちらから連絡してすぐに改善してくださるので、病院で検査しても顕著なADHDの傾向は出ないんじゃないかな〜と思います。ただ、この子は2年間続けて受け持っているので、違う担任になるとどうなるかは不明。お母さんが頑張り続けてくれていれば大丈夫だとは思いますが、下手したら立ち歩きし出す可能性はあるかなーと思います。
そしてLD(書字障害強め)が2人。一人は、個人面談でそれとなく発達障害児向けの対応を示唆してみると、「発達障害あるんですかね? どうしたらいいでしょう?」と母親が向上心をもって言ってくれたので、「宿題をなかなか取り組めないのは、書くのに困難さがあるからかなーと思うんですよね〜。専門家ではないのでハッキリと診断できるわけではないですが、スクールカウンセラーと連携してみませんか? あと、宿題は量を本人に合わせて減らしつつ、提案したワークシートに取り組むと、字形も整うかなあと思います。」と言えば、即日でワークシートを注文してくれて、「毎日楽しく取り組んでいます! 宿題をやらなくてやきもきしていましたが、そういう理由があったのだと分かってすっきりしました!」と、前向きに取り組んでくれたお陰で、なんと先日の漢字50問テストでは100点を取ると言う偉業を成し遂げました。毎日の宿題は相変わらず字が少し乱れていますが、気合いを入れるとかなり字形が整うようになりました。成長が見られて良かったです。
一方で、もう一人の子はADHDも入ってるぽくて、挙手発言が旺盛なのはとても良いのですが、知識に偏り(やたら詳しい分野がある。もしかしたら少しサヴァン症候群のケがあるのかも)もあるので自閉症もありそうなのと、いつも独り言(授業と関係ないことではないのですが、ずっと喋っている。考え事が口に出ちゃうタイプ。)をしています。母親に示唆してみたものの、理解はしているけれど納得できておらずで、スクールカウンセラー通いはしてくれているものの、宿題を減らそうという提案には「みんなと同じじゃダメです。」と頑な。前述した子の例もあるから、減らしてあげた方が集中して飲み込みがよくなると思うんだけどなーという感じです。
そしてLD(軽い書字障害、漢字×、計算×)かつ、外国人母持ちの子。この子がかなり厄介で、やる気がめちゃくちゃない。暫く全体で購入しているドリルをやるようにと毎日声掛けしても、「忘れました」と、分かりやすい嘘をつく。毎日忘れるってなんやねん。お母さんに具体的に相談しようにも、なかなか難しい話が通じないので、こちらから一方的に「宿題が難しくてできないみたいなので、私の手作りのドリルで簡単な問題から復習していきますね。」と伝えて毎日取り組ませていたのですが、これも調子が良いと家で取り組むけど、やらずに朝、学校に来てからやってたり、毎度の如くの「忘れました」が発動したり。漢字テストでは散々な成果だったので、「お母さんも沢山の書類を読んで、困りながら何とか提出しているの見ているでしょう? それにあなた、お姉ちゃんが面倒も見てくれている(サボり癖があったり寝坊したりと家庭環境がよくなくて、お姉ちゃんもサポートしてくれている。)でしょ? せめて、答え見ながらでいいからプリント提出しましょうよ。全くやらないと、少しでもやるとでは全然違うよ?」などと伝えているのですが、ついに「宿題やりたくありません。」と言い出して・・・。「他の人たちみんな毎日出しているの見てどう思っているの?」「すごいなと思います。」「自分はやらなくてもいいと思うの?」「はい。」「何のために宿題があるって私言ってるか覚えている?」「勉強できるようにと、約束(書類を期限までに提出するという約束を守る態度がこれから大事になっていくから、宿題は出しましょうと伝えている。)できるようになることです。」「それを分かっていてやらないと言うんだね?」「はい。」「じゃあ君に声をかけ続けるの無駄だったということだね。先生は君のために手間をかけて君用の宿題を用意したけど、無駄な努力だったわけだね。じゃあコレもういらないね。(捨てる)」「(なぜか拾う)」「宿題をやるやらないはお家の人との話も必要だから、連絡しときますね。やる気がない人にこれ以上先生は目をかけてあげる気はしないです。お互い疲れるだけです。残念ですね。」と、ほぼ見放し、あとは母親に分かりやすくこの面談の内容を連絡帳に書いて、電話でも(連絡帳も読まないので)伝えました。
この子は挙手発言をある程度はするので、意欲はまだあると見込んでいたのですが、もう毎日毎日「宿題は?」「忘れました。」というやり取りをするのにうんざりしました・・・家庭できちんと取り組む環境づくりをしてくれないと、何も変わらんと判断して、こちらからは見放しました。
子供達個別に対応しなければなりませんが、ここまで宿題などの提出物なんかをやらないのは初めてです。反抗期の6年生で、更に反抗的な子を受け持った時でも、その子達は宿題を出していたし。
粘り強く年度末まで、と思っていましたが、もうこの子にばかり叱咤激励し続けるのはこちらの負担も大きいし、これ以上、この子にばかり手をかけ過ぎても周りの子にも不平等感が出てよくないな、という判断です。もう高学年なので、私のクラスの子達は穏和で優しく世話好きな子達ばかりですが、学級が新しくなれば、更に精神的に反抗期突入していく子達の中で優劣を意識する子からいじめの対象になることが目に見えているので、ここいらで担任の手をある程度離れても大丈夫なようになってもらわんと、といった感じですね。今でも高学年で、他のクラスでは反抗期を迎えている子もちらほらいるのに、今までみんなからフォローしてもらえていたのは私のクラスの子達が平等に優しい子だったからだぞ・・・次年度からは荒波に揉まれてこい。って気持ちでもありますね。とりあえず、この担任離れのスタンスで年度末まで持っていこうと思います。本当に疲れた・・・。