以前、通常級でも自閉症スペクトラムとギフテッド診断された子を受け持ったことがあります。
その子は前担任と怒鳴り合いの喧嘩をしていて、前担任との折り合いも悪かったので、受け持つことになった際に「自分も自閉症スペクトラムの端くれだから、どう対応されたら指示が通り、信頼関係が構築できるか」を考えました。
結果、まずは淡々と冷淡かつ、論理的な言葉でねじ伏せてマウントを取り、「この先生には敵わない」と思わせるようにしました。
そうしてから、対人関係や家庭環境などの不満についての愚痴を傾聴するようにしていくと、どんどん話したがりの傾向が出てきて、趣味について毎朝ちょろっと話してから気分よく学校生活を送れるようになりました。
授業中などにちょっとむすっとしたようや雰囲気を出してきたらすかさずマウントを取りながら論理的な主張で捩じ伏せ、けれど話を聞く時は聞くの繰り返しを送り、健常児と変わらないくらい問題なくなっていきました。
もちろん調子が悪いとき(私と同じように天気が悪い時とか)なんかはぐでぇっとなったりむう〜となったりと我慢している様子が目に見えたので、そういう時は教室前廊下に用意してある机で一人で過ごしてクールダウンさせて、落ち着いたら自分のタイミングで戻るという約束をして、ただそれ以外の場所に行かれると心配するから脱走だけはしちゃいかんと約束しました。
それもきちんと守って行動できたので、この子を抱えていても、他にADHD疑惑の子(保護者が自分から言っている)や自閉症スペクトラム疑惑の子(ただしグレーゾーンより軽度かなって感じの構ってちゃん)など、いろいろと発達障害持ちの子は多いクラスでしたが、安定していました。管理職からも毎年、学級運営が上手いとお墨付きをいただいています。
が、先日、情緒学級がうちには複数あるのですが、ふたクラスに1時間ずつ代理で入ったのですが、とんでもない子と遭遇しました。
その子は以前、廊下を猛ダッシュしていたので「あぶなーい!」と手を掴んだところ、階段で押し問答になって「何するんですか手を離してください!」「いや今放したら反動で危ないから。すごく興奮しているみたいだし、教室に送るよ? どこ?」「⚪︎⚪︎ですけどなにか!?離してください不審者!」と、散々暴言を吐かれているところに、別の情緒学級の担任がやってきたので、バトンタッチしました。
が、その時のことを根に持っていて、揚げ足取りなのですが、教室に入ってきた瞬間に「不審者だ! なんでいるんだババア!」と叫ばれました。ババアて。
保護者同伴で遅刻登校してきたものですから(家で学校に行きたくない問答があったっぽい)、保護者の方も「先生に指をささない! 不審者とかババアとか言わない!」と叱りつけるのですが、もう興奮状態で聞く耳持たず。私はユーモアで受け流そうとするのですがそれも聞く耳持たず。ただ、服薬しなければならない薬を、本来は家で飲んでくることになっていたらしいのですが、学校で飲むことになり。「ほら、これ飲まないと調子悪くなるよ?」と粉薬をさしたら、言うことを聞いてなのか飲み始めたのですが、もう頭から被るつもりなの? って勢いで撒き散らして口につっこんでいたので、頬も服も粉まみれ。
「ほらぁ、ほっぺたについちゃってるよ?」と言えばビンタしながら頬っぺたを拭き、「服にもついてるよ?」と言えばバタバタと服をはたき。
それから、精神薬を飲む段階になると「これは脳の薬だってわかってるから! 飲みませーん!」とか言いながらどっかに投げるフリをしまくるという意味不明な行動を取っていました。
この辺で、「前にもあったことあるでしょ〜。不審者じゃなくてメイ先生だよー。よろしくねー」と言ったのですが、そこで「あのとき送ってくれるって言ったのに送ってくれなかった!」とか言い出したので(何の話?)と思いながら突き詰めていくと、以前遭遇したときに「送っていくよ」という言葉の揚げ足取りを始めたことがわかり、「約束を守らない先生なんて嫌いだ!」と言うので「前にも約束破られたことあったの?」と問うと、「⚪︎先生にされた!」と言うので、「じゃあ今度こそ約束守るよ。今日の帰り、⚪︎⚪︎に送ればいいかな?(放課後預かり所。こんな子を健常児が利用する場に放り込んでいることに驚いた。)と言うが、「今月はもう行かない。」と、少し冷静になってむすっとしながら答えたので、「先生も約束破りは嫌いだからね。あの時は約束したつもりではなかったけど、そう感じているなら、ちゃんと約束を果たせるように、次にどこか良いタイミングあったらちゃんと送るよ!」と言うとむすぅとしながら黙り込みました。
こんな感じな子がいるのに、情緒学級て8人構成なんですよね。マジきつい。この子に割くボリュームを加味してか、他の子は比較的落ち着いている子だったのですが、これは初めて〜ってレベルの乱れっぷりでした。信頼関係を築いても、ちょっとしたことですぐに向こうから壊してきそうだから、担任は気が抜けなさそうだな〜と思いました。
その子と応対したのは30分あるかないかで、疲労困憊になりながら、自分の学級に授業開始時間を少し過ぎてから戻ったら、配付物は全部配り終えているわ、静かに本を読んで待っているわで、「ああ・・・オアシス・・・」と思いました。私が体調崩して「ちょっと体調悪くなってきたから帰るね〜。」と言うと「お大事にしてくださいね!」「さようなら!」「お元気で!」と口々に言ってくれるし。代理で入る先生たちにはこぞって「すごく行儀がよいですよね。」って言われるし。ありがたやですよ。
以前、自傷行為で手の甲に大きな絆創膏を貼っているのを見られた時には「先生どうしたの? 大丈夫ですか?」と心配をかけたので、今回は日焼け止め用のハンドウォーマーで隠しています。余計な心配はこれ以上かけてらんないですからね。
ほんと今年も学級運営がうまくいっていて良かった。でも、厄介な問題を抱えている子は数人いる(LDとADHD疑惑の子が数人)ので、それをなんとかしなきゃですね。ファイトだ私。

