今時の小学生は、わりと髪を染める子がいます。そういった家の保護者の方は、だいたい「問題アリ」と、偏見かもしれませんが見做してしまいます。実際、私が受け持った児童の中でも、染色している子の保護者は、トンデモ理論のクレームをぶちかましてくるタイプの人でした。

 その学校の校長やら教頭やら教務の考えにもよりますが、基本的には、女性の教員の染髪には寛容です。白髪隠しもありますし。しかしながら、最近おったまげたのは、いい歳した女性教員がメッシュを入れたり、まだ若手の子がインナーカラーを入れていたりと、「エッ。それは風紀としてどうなんだろう?」と思うこともあります。

 ちなみに男性は染髪NGが多いです。元々かなり茶髪の後輩がいて、上司から「それは染めているの?」とチェックも入ったくらいでした。それを気にして黒染めしてきたのですが、「△くん、染めたら確実に色抜けして前より明るい色になっちゃうよ」と言ったら、「エッ。そうなんですか?」というやり取りから暫くした後、案の定前よりも明るい色になってしまいました。

 というのも、私も色素が薄いタイプで、でも田舎出身で口調も丁寧にするように心掛けていても、折々で地が出てしまって柄が悪そうに見えそうだと思って、教員になってから何度も何度も黒く染めて、色抜けしては染めてを繰り返し、「もう地毛でいいや・・・」と諦めた経験があったからです。

 さて当初の本題から少しズレてしまいましたが、最近の保護者は子供を染色する人が少数います。なんでダメかと思うと言うと、理由は3種類あり、冒頭のように「ヤバい家庭環境かも」という先入観をもってしまい、その子が何か問題行動をやらかすと「やっぱ髪染めるだけあるよな」というバイアスがかかるからです。

 2つ目の理由は、子供の頭皮に悪い影響を与えると思うからです。ただでさえ成長途中の繊細な身体に、あんな刺激物質を与え続けていたら、将来的にハゲたり、髪が縮れたりするのではないかなという心配です。

 3つ目の理由は、私自身も小学生の頃、毒の入った母親に「似合いそうだから」と、自分の白髪染めで無理やり髪を染められたからです。もともと、高校の頭髪検査でも地毛申請を出していても生活指導の先生に「染めてるだろ?」と学年団の先生方がいる職員室に連行され、「またメイか。帰っていいぞー。」と言われるくらいには色素が薄かったのに(生徒指導の先生は定期的に変わるせいか事情を知らず、地毛申請も無視して連行し続けていた。)、人工的な茶色を入れられて、成長してから小学校時代の集合写真を見るたびに自分が浮いて見えて、とても嫌な気持ちになっていたからです。

 多様性が認められることが大事になってきている現代ですが、それでも子供の頭皮を傷つけるような行いはいかがなものかと思うのです。子供の髪の毛は、本当に柔らかくて繊細です。なのに、今から毛根を傷つけるというのは、医学的な根拠はあるのかどうか分かりませんが、少なくとも3つの理由から、どうも許容したくないと思うものです。

 当然、児童のお手本とならなければならない教員もそれに倣うべきと思っていて、地毛や白髪染めは仕方ないとしても、メッシュやインナーカラーが流行っているからといってやってしまうのは、いかがなものだろうか? と思っています。

 私は夫からも「猫を叱る時なんか『こわっ』と思うような口調だし(大して強く叱りつけているつもりではなくても)、言動には気をつけろよ」とよく言われています。だからこそ、見た目だけは気を付けて、メイクも派手すぎないナチュラル系で、爪も弄らないようにしています(まあ短くないと、黒板に板書する時に爪が当たって嫌な思いもするので)。

 とにかく、NO染髪!! です。