毎週、結局続けてしまっている「ミステリと言う勿れ」のドラマと原作相違点の記事作成。時間がかかるからなーと思っていたんですが、今回はやっぱり風呂光が出てくるところ以外はおおむね原作通りの展開でした。

 

 

 

~以下ネタバレ注意!原作との相違点は①と表記しています。~

 

 

 前回、事件解決後に河川敷から転がり落ちたということで、「大丈夫です。」と言い張る整を救急隊員が検査入院のために病院に搬送するところから始まります。

 

 ①青砥が「あのもじゃもじゃ頭、大丈夫なのか。」と池本と風呂光に言い、池本が「パーマ頭からもじゃもじゃ頭に変わったってことは、距離感縮まったカンジしますよね。」「全然しない。」とやり取り。青砥が「入院費くらいは負担してやれ。」というので、風呂光が手続きのために病院に向かいます。

 

 ②検査後、病室でほっと一息ついた整のもとにブリザーブドフラワーに手紙の入った手紙。我路が『下手の横好きレベル』と名乗って送ったもので、中には指輪が入っていました。指輪をうっかり落としたところで風呂光が入室。ヘンな体勢で指輪の行き先を見届けていた整に驚愕する風呂光ですが、「落とし物は最後まで見届けて見失わないようにしている。」と語る整。拾った指輪はラピスラズリの石があしらわれ、内側にはいて座のマークが彫られています。風呂光は怪訝に思いながらも、入院の手続きを慌てて行って出ていきます。

 

 ③人がいるとゆっくり寝られないから誰もいなくて良かったーと言う整でしたが、実は隣におじいさんがいました。「久能整です。」と名乗ると、「俺は牛田悟郎だ。」と名乗ります。牛田が読んでいる本を見て、「マルクス・アウレーリウスですね。」と言い、「最近の若者はこんなものも読むのかい。」と感心し、牛田とマルクスの「自省録」の話の内容について感想を語り合い、死生観についても話し合います。

 

 牛田は「あんたのところに見まいにきたの刑事だろ。俺も刑事だったんだよ。おもしろかった事件の話でもしてやろうか。」と言い出し、整は拒否するも、牛田は構わずに語り出します。

 

 「あれは春だったか。立て続けに3人殺される事件があった。場所も手口もばらばらで被害者も共通項なし。物証もなし。ところが4人目が出た時、初めて物証が出た。それは前科のあるAという男のものだった。3人が死んだことでAは得をしていた。」

 

 しかし、牛田の相棒が疑問を持ち、3人とは接点あるのに、4人目だけは毛髪以外繋がりがない。それってヘンではないか。

 

「さて、実際にAは無罪だった。さてどんな答えだと思う。」

「えーと。Bという人物がいます。殺したい相手がいて、前科のあるAを見つけて、Aにとって邪魔な人間を殺し、4人目で本来殺したい相手を殺す。というケースが考えられます。」

「つまんね。その通りだ。本ボシBは美容室に勤めていて、使えそうなAの髪の毛を使った。じゃあ2問目。」

 

 と、あっさり殺人事件を解いた整に2題目の問題を出します。

 

 ④刑事パート。風呂光が病院の手続きが全て終わっていないことについて、「それ届けるついでに見まいでもしてやりなよ。」と言うも、「彼女いるみたいですよ。お花届いていたし。」と言えば、「ないないない。じゃあ確認してきてよ。」(ちなみに、池本には『ないないない。』と言いながら顔の前で変顔しながら手を横で振る癖がドラマではあります。)

 

 牛田は「通り魔殺人があった。何人か容疑者は上がったが凶器を始め物証が全く出てこない。ただそのころ近くで空き巣があった。わずかな金をとられただけで、通り魔殺人と関連付けなかった。さてこの場合どんなケースが」

 整は食い気味に「それ。ぼく、常々考えているアイディアがあるんですよ。罪を犯した人は、凶器とか返り血のついた服とか手袋とか、それの処分が大変なんですよ。だから知らない人の家にこっそり入って、納戸やクローゼットの奥に置いてくればいいのではないかと。つまりその空き巣は、通り魔殺人を隠すために行ったんです。」

 「あんた常々そんなこと考えてんのか!」

 と牛田に驚かれる整。そして、牛田はゴミ屋敷のような家とかに置かれていたと言います。

 「ただ、引っ越しをする家があって、見覚えのない靴が出てきた。血は洗い流されていた。もちろんそれだけじゃ事件だと上がってこない。でも相棒が地域と密接に関わるやつで、そこから情報が上がってきたんだ。」

 と語り、

 「俺の相棒はな、俺よりずっと若いけど、ずっと優秀な刑事だったんだ。」

 「だった?」

 と、過去形であることに首を傾げる整ですが、

 「じゃあ3問目。」

 と牛田に言われて、まだ続くのかと整は驚きます。しかし、これが本題でした。

 

 「あれは二十年ほど前の未解決の事件だ。売春を生業としている女たちが次々と殺された。容疑者はすぐに見つかった。羽喰玄斗。ムショを出たり入ったりしている男だ。やつは次々と事件を起こし、俺たちは追ったが、なかなか見つけられなかった。そんなとき、『羽喰に狙われている』と保護を求める女性からの通報があった。その女性のもとへ行こうとしたが、俺だけ10分遅れた。」

 霜鳥の悲鳴が聞こえた。女は死んでいた。霜鳥は腹を刺され、腕にはナイフが突き立っていた。霜鳥の爪の皮膚片に残っていたのも羽喰のものだった。

「霜鳥は生死を彷徨った。腕も動かなくなると言うことだった。羽喰の乗り捨てた車があったが、それっきり羽喰は姿を消した。」

 

 そして、霜鳥が「刑事を辞め、奥さんの警備会社に就職することになった。」という回想を終えた後、整が「こういうケースは考えませんでしたか。相棒の霜鳥さんが犯人だったというケースです。」と言い出します。

 

 「それまでの犯人は羽食だったかもしれませんが、最後だけ霜鳥さんが犯人だった可能性は。」

 「あいつは死にかけたんだぞ! あいつを疑う余地なんてないだろ!」と怒りながら牛田は言いますが、

 「驚かないんですね。あなたは霜鳥さんを疑っていた。」と冷静に整は言います。

 「最初の問題は罪を他人になすりつける話。二つ目は空き巣の話。これ三つ目のヒントになっているんですね。」と整が言い、牛田は諦めたように語り出します。

 

 「最初に羽喰の車を見つけた時、シートの隙間に霜鳥のボールペンがあった。そしてこっそり調べた。最後の被害者と霜鳥は関係があったんだよ。あいつの奥さんの実家の警備会社が退職警官の再就職先の道だ。天下り先。絶対に奥さんにバレちゃいけなかった。だからどうやったのか知らんが、命をかけて大博打を打ったんだろう。誰にも言えなかった。」

 

 牛田は「俺はね、もうすぐ死ぬんだよ。その前に、この証拠と調べたメモをどうするか考えてきた。ただ、誰にも言わずに死んでいいのか。」

 

 整は「怖いのは相棒の罪が暴かれることですか。それとも、霜鳥さんの罪をかばったあなたの罪がばれることですか。」と言い、牛田に「なかなか厳しいな。」と呟きます。

 

 「情けない。刑事として負け、長い闘病生活にも負ける。」

 「あの、どうして闘病生活と言うんでしょう。有名人が亡くなると、病に勝てずとか、亡くなった方に鞭打つようなことを言うんでしょう。勝ち負けがあるなら医療ですよ。その時点の医療が負けるんです。患者さん本人が負けるのではない。僕はそういわれたくない。」

 そう語る整に、牛田は年配者としての貫禄を取り戻し、「病と闘うって気持ちも必要なんだよ。」と言いますが、あくまでも整は「病に負けたから人は死ぬんじゃない。僕はそう思います。」と言います。

 

 牛田は「証拠をどうするか考えていた。」そこで回想に入り、霜鳥が面会に来た時の話になります。霜鳥は「治療費を肩代わりさせていただけませんか。牛田さんのためにできる限りのことをしたいんです。」と言い、牛田は笑い飛ばし、「情けはいらねえよ。」と言いました。

 

 霜鳥のことを「昔と変わらず、優しいやつなんだよなあ。」と言い、「それで決めたんだよな。」と呟いてから、自省録を渡し、「僕持ってます。」という整に、「版が違うと使えないかもしれないからな。」と言ってよこします。

 

 

 翌日、珍しくよく眠れたという整は「人がいると眠れないんだけど。」と看護師に言いますが、隣にいた牛田は前日の朝に亡くなっていました。つまり、幽霊だったことになります。(ここまで現実味のある話だったのに、何故と思いました。)

 

 そしてそこに霜鳥が現れます。整は霜鳥に「牛田さんが亡くなって悲しいですか。それともほっとしましたか。」と問いかけたところで、刑事たちが病室に入ってきて、霜鳥に「牛田先輩から預けられた証拠から調べてみると、あなたがお持ちの別荘から人骨が出てきて、調べたら羽喰のものと分かった。署の方まで。」と言われます。

 

 愕然とする霜鳥に整は「あなたが見舞いに来るまでは秘密にしておこうとしていたつもりらしいですよ。」と言い、「僕が金を出すとか、裕福になっているから怒ったんですね。」と返すと、整は「違いますよ。そういう申し出をされることを嫌がる人だということをあなたが知らないか、忘れられているということが悲しかったんじゃないでしょうか。」と、牛田の人間性をもとに伝えました。

 

 「牛田さんは、今でもあなたのことを優しい人だと言っていました。」と整に伝えられた霜鳥は、共に刑事生活を送っていたころのことや、治療費を肩代わりさせて欲しいと言い出した時の顔を思い出して、泣き伏せました。

 

 

 ⑤院内の掲示板を見ていた整は、受付が閉まっていて手続きができなかったという風呂光と合流しました。風呂光から「クリスマス誰と過ごすんですか。」「誰とも過ごしません。」「あの花誰からですか。」「え・・・差出人不明で届いて、いたずらじゃないかなあ。」とにごします。

 

 掲示板にあるポップには、一部一部にあからさまな誤字がありました。全ての誤字を正しく書き直して繋ぐと、「温室 三時 招待」となることに気付き、整は我路のことを頭が過ります。

 

 風呂光と共に温室に赴くことになり、そこで見たのは、床にチョークで綴られた大量の数字。この数字を牛田から受け取った自省録のページ番号、行数、上から数えた文字数に変換すると、「夜 三時 もどって 来 るがよい」というメッセージに変換されることに風呂光と共に気付きます。

 

 整は我路が関連しているのではと思ったのか、「行きますよね!?」という風呂光に「行きません!」と断固として言います。 

 

 

 ⑥風呂光は夜、眠っていてもなかなか気になって仕方ない様子。整もまた気になってしまい、温室に向かうことに。風呂光もタクシーで駆け付けてきます。

 整は一人で誰もいない温室に無断で入り、整はおそるおそる中を調べていくと、人の気配を感じて「我路くん!?」と言いますが、出てきたのは金髪で長髪の女性。淡々と数字を読み上げ、急いで自省録で数字の通りに辿ると「お疲れ。君は目的を達成した。」と伝えます。

 

 風呂光は外からライカの存在だけは確認したようでした。

 

 「ライカ」と名乗った女性は、また改めて早口で数字を読み上げていきます。「明日 昼 三時 この場所で」と伝言をし、ライカは去っていきます。

 

 

 ①本来は池本が「手続きするねー。」と軽い感じでやり取りする程度。それより、爆弾魔三船のことについて語るシーンがあり、取り調べでは「今日は三位一体の話をしていて話にならない。」と愚痴られます。

 ②風呂光が部屋に入ってくることはなく、ブリザーブドフラワーの送り主は本来なら原作で爆弾魔三船の事件の前にある「蔵」の話で登場する、我路と繋がりのある女子高生の「狩集汐路」の宛名で届きます。

 ③原作ではドラマより、もっと死生観についてお互いの主張を語り合うシーンが入っています。

 ④これも原作にはないシーン。

 ⑤原作では、温室を管理している不思議な口調の女性がいて、その指示通りに温室に行って調べると女性が隠していたちょっとした事件を察知するということになる、という展開が待っていましたが、省略されていました。

 ⑥風呂光は完全に介入しないです。

 

 

 ついに重要人物の2人の最後の一人、ライカが出てきました。今後、様々な事件に絡んだり、事件に巻き込まれて愚痴る整にちょっとした含蓄のある言葉をかけてやったりする存在です。風呂光が今回、ライカの存在を認知したことで刑事側・風呂光にどのような影響があるのか分かりませんが、行き先を見守っていこうと思います。


 池本のドラマでの癖も書きましたが、原作&ドラマにおいても整は「常々思っているんですけど〜」と語り始める癖がありますね。こんな風に、私も常々何事も深く考える癖を持ちたいものです。


 今回出てきた羽喰の事件は、後々にも原作ではとある事件と関わってくることになるので、そこが表現されるのか気になります。

 

 次回は火の話ですね。原作と近い感じで展開しそうです。原作の中でも、このエピソードはわりと好きな方なので、どんな感じで展開するか見物です。あの伏線の張り方の手法はどのように表現するのか、と考えております。

 

 牛田との会話をあまりにもしっかり再現しすぎた感じがあるので、次からは要約したいです。でも、文章が冗長になる癖があるので、どうなるやら~です。

 

 今回は以上!