週1の楽しみとなった「ミステリと言う勿れ」のドラマ。夜は早く寝るので、火曜の朝イチで流し観しながら朝の支度をして、それから時間があれば夜にまた観て、ブログ書く時に細かいところを確認しながら観るという3回に分けて観るようになっています。

 

 ということで今回もネタバレ。原作との相違点は①~で紹介。

 

 ①謎の人物が新聞を切り抜きながら何事かぶつぶつ呟きながらのスタート。

 

 ②整はいつものカレー作り。そこに風呂光から連絡が入り、「助けて欲しい。爆弾事件が起きている。ある闇サイトで品川区に32階建てのビルを午後5時30分に爆破するという予告が届いた。アルファベットがランダムに並んだ暗号文が送られてきた。それは解けなかったけれど、32階建てのビルは特定できたので犯行は防げた。けど、今回はうちの管轄で犯行予告が送られてきた。大隣市の地上18階地下3階建ての建物を爆破すると。3件あるので捜索中で、専門家が暗号文も解いているところだけど、整にも協力して欲しい。」とのこと。

 整は「僕はただの学生で専門家じゃないんですけど。」と断りますが、ラインで暗号文が送られてきて、更には警察署に連行されて協力を強制されました。

 

 ③犯人らしき人物は警察の無線を傍受しつつ、指先で膝を三角になぞります。

 

 ④整は犯人が暗号文を送る理由について、心理学の天達先生が話していたことを元に、過去に暗号文を送って犯罪を起こした犯罪者の心理について解説し、第一の事件が爆弾を仕掛けられた場所について「爆弾が仕掛けられていたお店は江戸川、暗号を並び替えると黒トカゲとなり、作者は江戸川乱歩。爆弾を仕掛けられていた場所と仕掛けた場所が一致している。」と解説します。

 

 その直後、2件目の爆弾が発見されて事件解決ということになりました。事件解決後、「クイーンというお店に仕掛けられていた。」と聞き、「エラリークイーンという推理作家がいて、Yの悲劇と暗号が解ける」と分かり、帰り支度をする整に風呂光は感謝しながら送り出します。

 

 そして、3回目の犯行声明文が出されました。「墨田区の3階建ての建物を午後3時30分に爆破する。」という内容です。範囲が広がったことから、青砥や池本は困り果てます。青砥には「パーマ頭に協力させてたんだろ。勝手なことするな。警察の威信にかけて捜査しろ。」と忠告を受けました。

 

 ⑤雨の降る日、とあるパーマのかかった男が車に轢かれます。

 

 整は「雨は蕭々と降っている。こういう日はカレー日よりじゃない。如月亭でポテトサラダを食べよう。」と言い出し、「ポテポテしちゃうぞ~」と可愛いノリで歌いながら雨の中を歩いていきます。すると、雨の中、傘も差さずに「山賊歌」を歌う男と出会います。

 

 「懐かしい」と呟く整に「この歌知ってる?」と問う男は、「海賊じゃ? 海に沈むってある」と問いかけ、「ありますが山賊の歌です。」と言い切ります。

 

 「なんでこんな歌うたったんだろう。」と呟く男に、「雨は蕭々と降っている。と僕も呟きましたからね。」「三好達治だ。」「山賊雨なんてものもある。」などとやり取りが始まります。

 

 そんなやり取りの最中、整は「大丈夫ですか。あ、こういう時は大丈夫ですかだと大丈夫ですって言われるから、どうしたか聞くのがいいんだ。どうしましたか。」と尋ね、2人は東屋に移動することになりました。

 

 ⑥一方、ABC殺人事件を元に、アガサクリスティへと繋げた風呂光は、情報を届けに走ります。

 

 整は男が何もわからないということを言い出したのを聞いて、記憶喪失になっていると知り、救急車、警察呼びますねと言い出します。しかし、男は慌てた様子でどちらも辞めてくれと制止しました。

 

 ⑦一方、風呂光は自身が整からもらったヒントで解いた場所へ警察を誘導しましたが、爆発物は発見されません。

 

 男は東屋のテーブルで指を三角になぞります。そして整はついマネてしまいますが、以前我路に言われた「人の癖を真似るところがある」という忠告を思い出して辞めました。

 

 整はとりあえず男と会話することにして、「ああ、カルテットの話でしたけど」「音楽はワルツが好きだ。」「その髪天パですか。雨の日ぼわぼわになりませんか。」「いや。ていうか何が話したいの?」「いや、話していると何か思い出すかと思って。」という整に「話せ。」と要求する男。

 

 整は「雨の水って新しく降ってくるものだと思っていたけど、本当は同じ水が循環しているだけなんですよ。地球の水の絶対量て増えたりしていないのかなあ。」「水素と酸素で水を作れば新しい水なんじゃ。酸素と水素で水を作るには火が必要で・・・」「うっかりすると大爆発」「爆発・・・」と、やり取りしたところで、男は少し固まりました。

 

 男は更に水爆の作り方について語ったり、ゴジラについて語ったりしていく内に、「爆弾」という言葉について思い悩む素振りを見せ、「どこかに時限爆弾を仕掛けた気がする。」と呟きます。「はあ? なんでそんなことになるんですか。」「気のせいかな。それを見に行こうとしていたのかな。」「なんで人生で爆弾を仕掛けることがあるんですか。もしかして一昨日の爆弾もあなたが仕掛けたんですか!?」とやり取りします。

 

 ⑧こっそり風呂光に「爆弾を仕掛けたと思うと言っている人と一緒にいます。記憶喪失でどこに仕掛けたか覚えていないようです。大隣署の河川敷です。」と伝えると、「何でもいいから話繋いどいて! 面白い話得意でしょ!」と池本から無茶ぶりされ、「今は久能さんが頼りなんです!」と風呂光から懇願されて電話を切られました。

 

 整は「爆弾どこに仕掛けたか分かりませんか。」と話を切り出し、「どこかな。電車に乗ろうとしていたような。」「じゃあ・・・何線ですか!」「あー・・・地下鉄! だんだん頭がはっきりしてきた。」「じゃあ何駅!」「・・・あーワカラナイ。」とがっくりくる二人。そこで、男が身に付けている時計が30分進んでいることに気付き、整が指摘します。

 

 「俺、いつも遅刻しやすくて、小4の時の先生がそうしろって。山賊の歌もその人が教えてくれた。三社祭にも行った。東京タワーにも連れて行ってもらった。楽しかったなあ・・・。」と呟きます。

 

 ⑨整は「意欲のある先生ですね。でも一人の生徒にそれをしていたら問題になりませんか。」と聞くと、「俺を妬んでいたやつらにチクられて、とばされたよ。そいつら俺が優秀だからって。くせーだのきたねーだの。仕方ないだろ。母親が出て行ったんだから。近くに雨ごいの神社があって、いつもそこにいたな。」と思い出話をします。

 

 ⑩整は「僕、心理学も学んでいて、嫌な話をすると思い出しやすいというからあえて聞かせてもらいますが、お母さんはなんで出て行ったんですか。」と問いかけます。

 男は「三好達治の乳母車って知ってる?」と言い出し、「小さい頃に親父と別れて出て行った。俺、捨てられたんだった。部屋は荒れるし、ロクな者は食えなくなるし。親父は他に女作って帰ってこなくなるし。お陰で笑えなくなった。楽しいこともなくなった。全部あの女のせいだ。一番最悪なのはあの女がとっととくたばったことだな。俺が小6の時に俺の知らないところで死んだ。」と語り、中指に身に付けている牡羊座のマークが刻印された指輪を見た瞬間、はっとしたようになりました。

 

 男は「なぜ爆弾を仕掛けたんですか。」と問われ、「それが産まれた時からの使命だから。」「なぜ。」「俺は特別だから。」「なぜ。」「どうでもいいだろ。俺がそうしたかったんじゃねえの。」「・・・全部思い出したんですね。」と核心を突く言葉を言われます。

 

 ⑪整は「あなたが乗ろうとしていたのは銀座線ですか。」と言った後、風呂光に「爆弾が置いてある場所が分かりました。」と伝えました。

 

 男は「どうしてわかった。」と問いかけ、整は「あなたは3がつくことばかり話していた。山賊雨も三束雨と言います。ワルツに興味がなくて三拍子のワルツが好き。二つの水素と一つの酸素を合わせた3つで水。三好達治。時計は30分進めている。・・・」など、会話の全てに3が関わっていた。そして、三社祭は「行った」と言い、東京タワーは「連れて行ってもらった」と言った。浅草から近い場所。」などなど、推理していき、最悪の思い出の報いを受けるべき母校のある小学校がある。そこに爆弾を仕掛けたんじゃないんですか。と回答を導き出します。

 

 ⑫風呂光は小学校についたことを言うと、暗号を整に送り、数秒考えた後に整は「たぶん音楽室です。」と答えます。男が「なんでわかったの。」というと、「1回目と2回目の暗号はミスリードになっているんですね。暗号を三角柱にして迷路を辿ると、音楽になる。」と答えます。

 

 そして警察が爆発物処理をしている最中、整が男の腕時計が30分進んでいることから、慌てて風呂光に「30分進んでいます!」と伝え、警察は慌てて退避、爆発物処理班は急いで解体作業を行います。

 

 整は「僕はどうして犯人は予告通りの時間に爆破させるんだろうと思っていました。」そして男は「これが3度目の正直だよ。」と答えました。

 

 ⑬風呂光から電話が入り、無事に爆発物処理班がトラップに気付いて処理できたことを報告します。

 そして、そこに交番の警官が現れ、「轢き逃げしてしまったと思うと自首してきた人がいるんだけど」と2人に問いかけます。

 河川敷の向こうから現れた刑事たちに「おーい! 逮捕してくださーい! そっちのもじゃもじゃじゃない方ー!」

 と言われ、「どっち?」と言われつつも、どっちかというともじゃもじゃじゃない男の方を逮捕しました。

 男は自分が記憶喪失だった理由を「車にひっかけられたのか・・・」と納得し、大人しく逮捕されました。

 

 ⑭三船三千夫と名乗った男は、「3という数字は神聖らしい。小4の時の担任の先生が教えてくれた。」「大好きだったんですね。また会ってみたらどうですか。」「死んだ。小6の時に。」「そうだよ。その時は知らなかった。その後に教えられたんだ。先生が、俺の実の母親だった。」「じゃあ、三が入った名前も・・・。」「母親がつけてくれたんだ。」と。

 整は小学校を爆破したいのではない。理由は違う。爆破したいのと同時に、爆破したくなかった。先生との、お母さんとの唯一の楽しい記憶を思い出すと苦しくなるから壊したくなるのと、守りたいと思っていた。あなたは本当はお母さんが大好きだったんだと思います。と、相反する気持ちがあったことを三船に伝えました。

 三船は「三好達治の乳母車、ラストが良いよな。」と言い残し、去りました。

 

 ⑮整の回想シーンが入り、背を向けた母親が「ごめんね。あなたを愛したいんだけど、何も感じないの。」と呟くシーンが入ります。

 

 ⑯アラームが聞こえ、河川敷の坂に三船のものらしき携帯電話が落ちているのを見つけ、何とか取ろうとしていた整は河川敷の向こうで風呂光に声を掛けられ、手を振って油断したすきに坂を転げ落ちてしまいます。そして病院へ・・・。

 

 

 ①こういうシーンはなかった。

 ②こういうシーンもなかった。

 ③こういうシーンもなかったのですが、男が三角に指でなぞる点においては原作と通じています。

 ④こういうシーンもなかった。しかも、暗号文がどうとかいう話もなかったです。

 ⑤車に轢かれるシーン自体は描かれていませんでした。

 ⑥こういうシーンもなかった。そもそもこの事件は暗号文を元とした爆弾事件という扱いではなかった。

 ⑦こういうシーンもなかった。

 ⑧本来は爆弾を仕掛けた場所が分かった時点で池本に電話を掛けて伝えることになります。

 ⑨母がいない話は後に分かるのですが、学校で具体的にどういう扱いを受けていたかまでは語っていませんでした。

 ⑩他にも色々と単調な会話がぽんぽん続くのですが、それら全て爆弾が置いてある場所を示す伏線になっているものでした。また、小学校ではなく中学校に仕掛けられていました。

 ⑪ここで電話する相手は池本のはずでした。そして、ここで初めて整は爆発物による事件が起きていることを知り、池本から前の2件は予告前に解体できたんだけど。という話を聞かされます。

 ⑫こういうシーンもなかった。

 ⑬池本から報告を受けた後、青砥に電話が代わり、何故分かったと詰問されそうになりますが、爆弾犯が隣にいるということと、通りかかった警察官がいるということで、警察官に電話を向けさせるように指示を出されて「もじゃもじゃじゃない方を捕まえろ!」と青砥から警察官に指示を出されたことで警察官に男は捕まります。

 ⑭3という数字が神聖だとか、母親の話を深掘りするところとかは、本来原作にはありませんでした。ただ、母親が担任の先生だったということは語られるくらいでした。

 ⑮こうした整の過去の伏線については、追々語られるもので、ここではまだ入らないシーンでした。

 ⑯実際には風呂光に声をかけられたせいではなく、単純に携帯を取ろうとして足を滑らせた結果、転げ落ちています。

 

 

 三好達治推しで随所に語られていましたが、個人的にメジャーな中古・中世の文学(枕草子とか源氏物語とか徒然草とか)か、現代のものが好きなので、近世文学ってめちゃくちゃ弱いんですよね・・・。中途半端に難しい感じがして、食わず嫌いなのかもしれないんですけど。だから内容はよく分からんのでした。

 

 あとやっぱり風呂光をどーしても推したいのね! って思いました。いくらなんでも普通の大学生を探偵役に署まで連れて来られるもんか? とそれ言っちゃ、物語が展開させられないでしょうけども。原作ではこの爆弾魔・三船の話はちょろっとしたエピソードとして差し込まれていたんですけど、がっつり深掘りして展開されましたね。

 

 ちなみに、記憶喪失だった際は饒舌だったのに記憶が戻った瞬間から「心を閉ざした」と整が感じたのにも、ある伏線が関わっていそうなのですが、原作でもこの伏線はまだ解明されていない点なので、早くそこが分かるところまで行くことが楽しみです。

 

 次回は予告を観ると、入院し、同じ病室の老人から殺人事件の問題を出される展開になる。そして謎の暗号を風呂光とともに発見する。という感じですが、謎の暗号発見は整一人で行うものだったので、こりゃ「ミステリと言う勿れ」における重要人物の2人の内の一人である例のあの人がどんな形で登場するのか気になる所、という感じです。ちなみにもう一人は我路ですね。

 

 一個前にやるはずだった「蔵」のエピソードが、とても含蓄あり、子供に対する姿勢というものを学ばせてもらった内容だったので、カットが残念でしたが、でもまあ次回の老人から殺人事件問題を出される内容は面白いので、それに期待です。