担当学年ではない子のことも、指導する時はあります。
ちょっと問題の多い子の多い学年があり、職員室に行こうとするとよく廊下を走り回っていて、私に何度かタックルをかましてくるような子もいました。
自己パーソナリティ上、そういうのが許せない性質な私は、「これであなたが吹っ飛んで大怪我したらどうするの! 別の子にぶつかって大怪我負わせたらどうするの! 私にケガさせたらどうするの! そうなっても、あなたにはどうすることもできないでしょ!?」と、よく説教して、担任に引き渡すということがありました。
特に何度も同じ子とそういうことがあり、夏休み明けくらいからしばらくはそうしたことで指導の繰り返しでした。担任の先生は若い先生。「~という経緯で、~という指導をしました。きみ、担任の先生からも叱られなさい!」と引き渡すことしばしば。
それがだんだんとなくなり、そういえば叱ることもなくなったなあと思うようになりました。
また、薬の影響が強いときはめちゃくちゃぼんやり(薬が変わったよ!~思考能力が痴呆症~ | 発達闘病先生 (ameblo.jp))しているので、そういうことも気付かなかったり、気付いても指導する気力がなくてスルーしたりしていました。
そんな子が先日、教室の前で座り込んで泣いていました。
うつむいていた子に「どうした? 何かあったん?」と声をかけると、顔を挙げたのが何度も叱りつけたあの子。「わっ。よく私が叱ってた子じゃん。どうしたん?」と改めて声を掛けると、ぐずぐずと泣きながら、友達とケンカしたこと。仲直りはしたこと。でも気持ちの整理がつかなくて泣いていたことを、つたない言葉で説明し出しました。
「仲直りできたのえらいじゃん。気持ちがまだ整わないの、わかるよ。泣きたいときは泣いていて良いんだよ。でも、教室の外にいると担任の先生が心配するから、教室に入ろうよ。」
といって、両手を持って立ち上がるのを促すと、すんなり立ち上がって、「立てたじゃん。えらいよ。じゃあ教室入れる?」と促し、頷いたのを見て背中を押しながら教室に一緒に入り、担任の先生に事情を説明して引き渡しました。
それからそんなことがあったのも忘れたころ、職員室のあたりを歩いていた私に向かって、その子が「メイ先生!」と呼び止めてきました。
「ああ、きみかあ。どうしたの?」と聞くと、「これあげる! じゃあね!」と手渡されてすぐにおさらばされました。
渡されたのは、こちら。
手裏剣の折り方がわからなかったなりに、がんばって丁寧に折ったことがわかる折り目です。
あれだけ叱り続けていた私に対して、一度きりの励ましだけで恩に感じてくれたのでしょうか。
それでも、あんなにヤンチャだった子がこうして成長してくれたのを見せてくれて、とても感銘を受けました。
子供たちはこうして、子供たちなりの誠意を見せてくれることがよくあります。これが教師を続けていく気力になります。
今までもこういうプレゼントを受け取ったことは数えきれないくらいあります。それらは全部、無印のやわらかポリプロピレンの大きい入れ物に入れて取っておいてあります。
有難いことに、かなりの量になっています(最初は深型の引き出しだったけれど入りきらなくなって代えたくらい。)。そういうのを他の教員の方々はどうするかわかりませんが、私には生きる力になるので、これからも大事にとっておこうと思いました。