学校には用務員さんという、学校の環境整備が主な仕事の方がいます。学校の規模によっては人数が異なるかもしれませんが、今まで見てきた用務員さんの中で「横領するおばさん用務員さん」と「工作なら任しとけおじさん用務員さん」と「スペシャル用務員さん」をご紹介したいと思います。

 

 
 まず始めに、「横領するおばさん用務員さん」。
 
 この方はとにかく仕事を手抜きするのが得意で、空き教室を偶然開けたら、児童の机の上に座ってぼんやりとサボっているのを発見。
 
 「やべーもん見た・・・。」と、その場では他愛もない話をしてそっと去りました。
 
 こういう空き教室なんかを掃除したり、壊れたところの修繕をしたりするのが仕事なのですが、ほとんど仕事をしてなかったように思います。
 
 また、私に向かって「学校のトイレットペーパーとかゴミ袋とか、家に持って帰っちゃっても大丈夫よ〜。私はそうしてるわ〜。」と横領のススメ。いや、犯罪ですよね・・・?
 
 
 と、トンでもない言動の用務員さんで、仕事らしい仕事をしている姿を見たことがなかったです。
 
 一応、上司に「こんなこと言われたのですが・・・。」と報告するも、在籍年数が長かったのか、「あの人はもうしょうがないよ・・・。」と、上司も諦めムードでした。
 
 そんな横領するおばさん用務員さんでしたが、年度途中に大病を患い、途中で学校を去りました。(バチが当たったか?)
 
 そこで改めて見ると、職員用のトイレの汚さを実感しました。ここを掃除するのも用務員さんの仕事なのですが、最低限の掃除だけで放置していたようです。
 
 次年度に新しく用務員さんが入るまでの数ヶ月、汚いのが気になる私は定期的に掃除をして、こびりついた埃を何とか除去していきました。
 
 それは上司も褒めてくれて嬉しかったです。
 
 そして「工作なら任しとけおじさん用務員さん」が着任。おじさんなので、女子トイレの掃除がされていないという問題が続いていたため、「我々は気にしないから、掃除をお願いしたい。」と話し合いの場を持って掃除してもらえるようになりました。
 
 このおじさん用務員さんの良いところが、2つあり、まず工作が得意なところ。学校中の放置されていた壊れていた部分をドンドン直してくれました。更には「こういうのあった方がいいでしょ?」と、自主的に製作してくれるものもあり、学校の環境が改善されていきました。
 
 そしてもう1つの良いところが、発達障害を持つ子のケアをしてくれること。脱走しては用務員さんが確保してくれて、話を聞いてあげたり、宥めたりしてあげてくれていました。支援員さんとしての役割も担ってくれていたことが、その学級を受け持つ担任にとっては助かったことでしょう(ちなみにその子は家庭環境も複雑で、夜遅くに学校の校庭に出没することがあり、よく残業していた私もケアに回っていました。)。
 
 そして「スペシャル用務員さん」。この方は掃除もきっちりしてくださるし、乱れている場所を整頓したりという用務員さんとしての仕事はもちろんパーフェクトにこなし、時には季節に合う掲示物を作って癒しを提供したり、お菓子を作ってきては振る舞ってくれたりしました。特に掃除がとても丁寧で、ノンストレスな環境で仕事ができて助かる存在でした。更には学校中に花を大量に植えて、たいへん見栄えの良い学校にはしてくれているところもすごい方です。きっちり定時で帰るのに、よほど仕事の効率が良いんだなと感心しました。
 
 このように、用務員さんは一般から募集されるため、当たり外れは当然あります。当たりの用務員さんには感謝の意を込め、時々お菓子の差し入れをして感謝の気持ちを示しています。
 
 用務員さんにもプロフェッショナルな姿勢でいてくださると大変ありがたく、仕事の能率も上がるので、ぜひとも今後出会う用務員さんも「スペシャル用務員さん」のような方でありたいと願うものです。