佐々木倫子先生の本も、小さい頃から大好きでした。ノリが面白い! とにかく、独特なギャグセンスがおもしろい! そんな作品ばかりです。

 

 そんな中でも、「Heaven?」がお気に入りです。他の作品も同じくらいお気に入りだけど・・・(動物のお医者さんとか。)。とりあえず、「Heaven?」から紹介します。

 

 「Heaven?」は小学館から出ており、1999年~2003年まで連載されており、全6巻です。

 

 

 ~ここからネタバレ注意!~

 

 

 「ロワン ディシー(この世の果て・・・)」というレストランを開業するところから物語は展開されていきます。主人公は、そんなレストランのオーナーであり、超絶破天荒な黒須仮名子(くろすかなこ)や他の個性的なキャラクター達に振り回される伊賀観(いがかん)が主人公。

 

 開業にあたり、まず黒須はフレンチレストランの経験がない者ばかりを口八丁で転職させていきます。全員の中、かろうじてフレンチレストランでの「シェフドラン」という店内でのサービス経験があるのは伊賀だけ。

 

 しかも、黒須は開業までの設定日をとんでもなく早い段階で設定しており、集められたほぼ未経験者たちは、何とかレストランらしく作っていこうとするも、「トイレがないから営業許可は出せませんね~。」という事件まで勃発。「近くの公民館がうちのトイレです!!」と、強引に推し進め、何とか開業にこぎつける「ロワン ディシー」。

 

 開業後も、黒須の謎の行動や、破天荒な言動に振り回され、付き合わされる伊賀。それに、未経験な者達のリーダーシップも取らざるを得なくて、大人しく接客業につきものの愛想笑いすらできない伊賀は、みんなの言動にただひたすら振り回されていくという内容。

 

 わりと古めの漫画ですが、絵のタッチはしっかりとしており、登場人物たちの表情もコミカルで面白いです。台詞回しも、間の取り方も、流石と言わざるを得ない。

 

 更には、個性的な客も度々やってくるもんだから、毎度の話がくすっと笑えてつまらなく感じる場面がありませんでした。

 

 最終的に、「ロワン ディシー」は店舗に雷が落ちるというまさかの展開によって閉店。その後も懲りずに移転しては移転し・・・を繰り返し、数十年後・・・。というところで話が終わります。

 

 最後は潔い終わり方だったな、ということで、最後までスッキリと堪能できた作品でした。巻数も少ないので、手を伸ばしやすいと思います。そして佐々木倫子先生ワールドの魅力に気付いて、他の作品にも手を伸ばす・・・。ということになること間違いなしでしょう。

 

 

 今はまだ集めきれていない(昔実家にはあったが、生前整理で売り払われてしまった「動物のお医者さん」など)ので、これから少しずつ集め直したいと思います。