ハローワークからの帰り、大好きなラーメン
そんな時に。
何故か、ふと思い出した。
高校2年も終盤を迎えた…冬
私は失恋した
そんな矢先、クラスメートが
「気分転換行くよぉ
」
と言って、私の手を引いてゲームセンターやバッティングセンターに連れていき、二人で息があがるほど遊んだ
最後に「お腹すいたね
」と、とあるラーメン屋さんに連れていってくれ、彼女は塩ラーメンを、私は味噌ラーメンを食べた。
お世辞にもキレイとは言えない店だったが、お昼時のサラリーマン達でいっぱいで、活気のある場所だった。
私達は…朝から学校をサボってここまで来ていた。
ちょっとした罪悪感と遊び疲れた疲労感がラーメンを美味しく感じさせたのかも知れない…。
それは、私の忘れられない一杯になった。
なんとか店を探し出し、今日も私はあの日と同じ、味噌ラーメンを注文した。
おかみさんに聞くと、9年前に店は移転、新装したとか。
確かに店は変わり過ぎていた。
あの味を思い出すには小綺麗になりすぎている。
やってきたラーメンをすする…
こんな味だったのかな
複雑な気持ちで店を出た。
「思い出なんてこんなもんか…」
まだ風が冷たい…。
ふぅ
と息を吐くと、味噌ラーメンのにんにくの風味が鼻腔を通り抜けていった。
この時、あの店のラーメンが17年前のラーメンであることを、少しだけ感じさせた。
私をふったあの男、サイテーな奴だったな
…思い出し笑いを隠すように、ストールを口元まで上げて早足で駅に向かった。
