「倫理」についていろいろ書いてきましたが、
だいぶ長くなりましたので、今までのまとめを
書いて終わりにしたいと思います。
長い間のご愛読、ありがとうございます。
1.われわれホモ・サピエンスは、何百人・
何千人もの集団で生活することを持ち味として
過酷な生存競争に勝ち抜いて現在に至ります。
2.集団生活を上手に運営するにあたっては
私的な欲求をできる限り抑え、協調していく
ことが大切です。
3.一神教は人間のエゴを抑制する働きをし、
神との約束で日々の生活を自ら律することに
役立ってくれています。
4.日本では自然信仰が根強く残ったため、
一神教による倫理観は根付いていませんが、
「近所の目」「世間体」、いわゆる集団自体が
人々を倫理的な行動へと導いてくれます。
5.しかし、その強い「集団性」を持つがゆえに、
リアルな集団から離れられるインターネットの
ような環境では、ヒトの獣性があふれて抑制が
利かなくなってしまいます。
…といった内容でお送りしました。
最後に蛇足ですが、個人個人の倫理観だけで
集団生活を維持することはやはり困難です。
そこで秩序ある世の中にしておくために
私たちは「法」というものを編み出しました。
前回ネットについて言及しましたが、
現在のネット世界はいわば無法地帯。
今後、ネット世界には法の網をかけ、
その法が機能するようにネットのシステムを
構築していくことが求められますね。
事業所などで倫理に関する研修などあったときに、
参考にしていただければ幸いです。