「倫理」という言葉の意味を調べてみると、

「人として守り行うべき道。善悪・正邪の判断に

おいて普遍的な規準となるもの。道徳。モラル。」

(goo国語辞典より)となっています。

 

また、漢字の一つ一つを見ていくと、

「倫」は、①人の守るべき道筋②同列に並ぶ仲間。

「理」は、②物事に備わった道筋

(小学館 大辞泉より)と書かれていました。

 

だいたい、みなさんも「倫理」という言葉の

イメージとしては、上に書いてある通りの

意味は知っているのではないでしょうか。

 

「倫」という文字の意味の一つに

②同列に並ぶ仲間 というのがあります。

人間がたった一人で生涯を生き切ることが

できるのであれば、「倫理」というものを

守る必要はありません。

そういうことはできませんから、

「倫理」を守らなければいけないのです。

 

 

 

 

話はガラッと変わりますが、

 

私たちの祖先といわれる「ホモ・サピエンス」は、

同じヒト科の「ネアンデルタール人」と比べて

身体能力に劣っていたと言われます。

普通であれば、生存競争で負けるはずだった

私たちホモ・サピエンスが現代まで繁栄し、

ネアンデルタール人が滅びてしまった理由は

「集団性」にあったという説があります。

 

家族やせいぜい親戚程度で暮らしていた

ネアンデルタール人に比べて

数百人、数千人単位の集落を作って

生活していたホモ・サピエンスは

多くの人たちの知恵を使って狩猟の武器を進化させ、

劣っていた身体能力をカバーしたそうです。

 

また、寒冷化や熱帯化などの気候変動

に対しても、集団の知恵で乗り切りました。

 

このように、私たちは「集団性」という

利点を活かして、ここまで滅びずに

生存できているのです。

 

しかし、他の人たちとともに生活するためには、

「集団的な生活を送るための知恵」もまた必要です。

 

「今日は気分が乗らないから仕事休もう」

「リハビリパンツが汚れてるから誰かに任せちゃおう」

「気に入らない上司は呼び捨てしよう」

「終業後の会議、出ないで帰りま~す」

 

ぜんぶ20代の俺のことですが(笑)、

 

みんなが自分の思い思いで過ごしてたら

その集団はバラバラになってしまいます。

 

でも、どうしても人間って弱いものですから

誘惑や欲望に負けてしまうことがあります。

そのために集団を維持することができなく

なってしまうこともあります。

そういう個人的な誘惑や欲望に歯止めをかけるために

「倫理」という知恵を「発明」したわけです。

 

 

 

では次回、どのようにして「倫理」という

知恵を「発明」していったか、ということを

書いていきたいと思います。