「あと、床ずれはないんですね?」

「前なりかけたことがあって、

病院からこれを出してもらって

塗っています。」

 

新しい利用者さんへのアセスメント

での会話です。

つけているという軟膏を

見せてもらうと、

「テラジアパスタ…」

 

床ずれの薬では

自分にはあまり聞きなれない

名前の軟膏でした。

 

その利用者さんが通っている診療所は、

院内処方ということで薬局からではなく、

自分の診療所から薬を出しています。

町の診療所なので、専門外の病気も

だいたい診ていただけますが、

おじいちゃん先生なので、

(大丈夫かなあ…)と

正直思ってしまいました。

 

案の定、事務所に帰って

ネットでその薬をググると

なんと2018年3月時点で

販売中止という記事にヒットしました。

 

(あれえ、こんなの販売していいの?)

すぐに頭によぎりました。

在庫がダブついてて、処分するのも勿体ないと

いうことで、患者が知らないのといいことに

販売中止の薬を処方したんじゃないか?

 

(まずい!これはまずいでええ!!)

すぐにおじいちゃん先生の診療所に

行こうと思いましたが、ネットの情報だけで

判断しちゃいけないと思って

よくお世話になっている薬局に行って

薬剤師さんに相談しました。

 

「はい、はい、はい、

それはですね…」。

やっぱり餅は餅屋、

すぐに答えてくれました。

 

「その薬は、だいたい60年ほど前に

発売が開始されたんですが、

耐性菌ができたりして販売中止

になったみたいです。

ただ、1年間の猶予期間があって

2019年3月までは販売しても

問題ないんです」と。

 

そして、2019年4月以降に処方

されても、保険が通らない、と。

 

なるほど~。

じゃあ、いいのか。

 

薬も日進月歩、古い薬は

役目を終えて表舞台から

消すわけですね。

 

ただ、それにしても、

そんな販売中止になっているような薬、

出すかなあ…。

「在庫一掃セール」の疑惑は、

いまだ晴れず、と。