自分はどう死にたいか、
あらかじめ意思表示している人は
そう多くないはずです。
私もこの前、TVで胃ろうを話題に
していたとき、
「お父さんは胃ろうはしないからね」
と、とりあえず今のところは
それだけしか意思表示していません。
「人生の最終段階における医療の
決定プロセスに関するガイドライン」
は、①自分が受ける最終段階の医療を
自分で決める、というのが
大きな目標となっています。
しかし、②自分の気持ちはその時々で
揺れることを前提にして
何度も繰り返し話し合いをして決める
ということを勧めています。さらに
③自分の意思を伝えられなくなる
前に自分の意思を推定する者を
明確にしておく、ということも
必要であると言っています。
頼まれた人にとっては、
それは重荷になりかねませんが、
そのためにも事前にしっかりと
話し合っておくことが大切です。
また、③の者は従来なら
家族が担うことが多かったですが、
「家族等」と表現されていて
④家族以外の親しい友人という者も
想定されています。(家族以外の)
とあるのは、今後増加するであろう
単身の高齢者に対する方法論
であろうと推測されます。
いっぽう、自分が受けたい医療を
正しく判断するためには、
⑤医療・ケアチームによる適切な
情報提供と説明が求められます。
ここで重要なことは医療だけに限らず、
⑥介護従事者やケアマネジャーも
チームとして参加することが
推奨されていることです。
決して医療や医師だけが
独断で決めることではないことを
表しています。それは何よりも
本人が受ける医療にも
⑦本人の人生観や価値観、
今まで生きてきた生き方を尊重する
という考え方を表しています。
私が大昔のブログで
「生活の中に医療がある」と
書いていたことありましたが
まさにそういう流れに世の中が
なっているわけですね。
最後にそういうプロセスを踏んでも
なかなか合意に至らない場合は
⑧複数の専門家からなる話し合いの場
を設けることを推奨しています。
その専門家とは、医療倫理に精通した
専門家や国が行う「本人の意向を尊重した
意思決定のための研修会」を受講した者
とあります。はたしてそのような研修会が
本当に行われるのかどうか分かりませんが
動向に注目です。
というわけで、この先、医療も進歩するし、
人間の寿命も延びていくことも想定される中、
はたして自分はどのような医療を
どこまで望むのか意思表示するプロセスをとる
というのは確かに大切なことだと思います。
こういうガイドラインをきっかけに
自分の最終段階の医療を話し合う、
というムーブメントが広がればいい
と思いますが、私たちも仕事の中で
そういう自己決定のお手伝いができればいいな、
と思って記事を書かせていただきました。