経済が健全かどうかを見るには

「どれだけ収入があるか」と

「どれだけ支出があるか」の

2つに注意することが大事です。

 

前回言ったように、

多くの収入があるようでも

教育費がかかる子(孫)がいるとか、

家のローンを抱えて毎月の返済に

苦労している、とかあると「ニーズあり」

というふうになります。

ですから、ケアマネジャーは

家族構成や家族の職業から

家や家具などの備品の様子まで

くまなく観察しておくことが必要です。

 

こんなことを言うと、まるで探偵かのような

感じですが(笑)、まあ、そんなに厳重に

なる必要はありません。利用者さんに

必要な介護サービスが適切に

受けられる程度の経済状態であるか、

また、経済面から家族の生活が健全に

行えるかどうか、といった視点で

情報収集していけば良いと思います。

また、興味半分に経済状況を聞くことは

絶対に行ってはいけません。

 

また、経済のニーズには

「収入」・「支出」と、もうひとつ、

「金銭管理」のニーズがあります。

 

アセスメントするポイントのひとつは

認知力の低下などにより、

必要のない物をどんどん買ってしまう、

財布の置き場所を忘れてしまう、といった

「ご本人の金銭管理能力」。

 

そして、もうひとつのポイントは

ご本人の代わりの誰かが管理する場合。

ご本人の年金がご本人のために使われず、

ほかの誰かの物になってはいないか、

ということにも目を配ることが大切です。

 

ただ、ここはデリケートなところで、

同居家族がいる場合は

ご本人も家族の生活費を負担

していくのは当然だし、

自分の子供へ経済的支援をしてやりたい

という思いがある場合は、端から見て

(お金を搾取されている)と思えても、

そう断定できないことがあります。

 

ですから、ご本人の意思がどうなのか、

といったことを丁寧にアセスメントする

必要があるのです。

 

経済のニーズを解消するには、

ケアマネジャーだけの力では

難しいところがあります。

公的な経済的支援を受けることが

できる場合がありますから、

それは役場に相談すれば良いですし、

金銭的虐待が疑われる場合は

地域包括支援センターに相談したり

成年後見人制度を考えるのも

ひとつのケアプランになり得るでしょう。