要介護者自身の自立を目指す
「健康管理」と「ADL(認知症)」を
前回まで詳しく書きました。
今回からは要介護者と家族の
関係におけるニーズを書いていきます。
介護する側とされる側の関係において
介護する側に起こってくることが
「介護の負担」です。
身体介護については、
「3大介護」というものがあります。
日常生活動作の中で、
「入浴」・「排泄」・「食事」が
その3大介護と言われるものです。
この3つのうち、一番身体的に
大変な介護はなんでしょう。
それは「入浴」の介護です。
脳卒中で寝たきりになった人の
多くは、特殊浴槽という設備がないと
入浴はできないでしょう。
入浴と言えば、「浴槽に入る」と
いう文化がある日本人にとっては、
入浴は負担が大きい介護のひとつです。
介護サービスを使わなければ
清拭で済ませてしまうことも多いものです。
次に負担が大きいのは「排泄」です。
朝、起きたら布団まで濡れていた、
とか、
便まみれになって笑っている
なんて姿を見ると、
ボー然としてしまうとか、
怒りが湧き起ってくる
こともあるでしょう。
赤ちゃんの排泄物ならまだしも
成人した人の排泄物は
正直なところ、嫌なものです。
介護の業界では、
おむつ外し→排泄の自立に
取り組む施設も少なくありませんが、
せめて排便のほうは
自立したいところです。
最後は「食事」です。
食事は比較的最後まで
能力が残っている力です。
食事が食べられなくなると
お迎えが近い、と思ってよいでしょう。
食べる動作は自分でできても、
食形態(軟らかくするなど)の工夫に
手がかかる場合もあります。
「介護負担」にニーズがあるかどうか、
の判断は、この3大介護に
どれだけ手がかかるか、
ということを見ます。
そして、負担がストレスになっている
ようであれば、負担の大きい
「入浴」→「排泄」→「食事」の順に
負担をとるのがよいでしょう。
例えば、食事の負担については、
食事は他の家族の分と一緒に作る
であったり、栄養剤で補完する
という方法もあるわけですから、
サービスの優先順位としては
低い、と考えても良いでしょう。