ADL・日常行動のニーズ、

つぎは「体力」です。

 

日常生活動作を行うためには

何はともあれ「体力」が必要です。

 

前々回にお話しした「機能」も、

体力なくては語れません。

体力が不足しているというのは、つまり、

「低体力」である、ということです。

体力が低下していると、

機能的には問題なくても

動かす事ができない。

 

車はきちんとメンテナンスされていても

ガソリンがないから動かない、

みたいなものです。

 

高齢者の食事によく見られるのが、

「ある(食べ)物ですます」的なところです。

 

消化器も衰えていますし、

がっつり食べられない人も多いでしょう。

食事作りも自分ひとりだったら面倒くさい。

だから、ある物で、という事になりがちです。

 

しかし、最近の研究では、

高齢者の栄養不足、たんぱく質の摂取不足

が言われています。

要支援者のスクリーニングにも

栄養状態を見る項目があり、

さらに、介護報酬には栄養マネジメントに

関する加算がついています。

 

食事のことだけではありません。

「体力」を維持するためには、

適度な運動も要求されます。

体力を低下させる原因がないか、

アセスメントする必要もあります。

 

いちばん分かりやすいのが、

「閉じこもり」であり、「寝たきり」です。

高齢者が1週間も入院すれば、

寝たきりになってしまう話は

聞いたことがあるでしょう。

別に入院しなくても、高齢者じゃなくても

活動が停滞している人は体力がありません。

 

「座る」→「立位」→「歩行」→「外出」→「社会交流」

これは、体力低下を防ぐために必要なことです。

たとえ座るだけでも、寝たきりよりは

体幹の筋肉を使って座っています。

少しですが運動しているわけです。

 

「食べる」と「運動」。これをワンセットとして

「体力」のアセスメントをする。

 

いくら機能訓練をしても向上が

見られないときは、「体力」に着目して

ふだんの食生活や日常生活で

不活発になっていないか、みていく

必要があるでしょう。