「すべての人が自立を目指せるわけでない」。

逆立ちしたって自立できない人がいる。

人の世話にならなければ生きていけない人がいる。


こういった人たちを見て見ぬふりして

自立を目指していこう、というのは

ケアマネジャーとしての責任を

果たしていないのではないか、と思いました。


そういう人たちにも「望む生活」を

保証しなければいけないのですから。




私は「自立」という言葉に引っかかり、

どう考えていけばよいのか、

思考を巡らせていた時期がありました。


あるとき、ふと、こんなことを思いました。

(私たちが「自立した」って思ったケースを

集めて分析してみたらどうだろう)

ということです。


たくさんの例を集めれば、

何かしらの傾向が現れないだろうか、

と思ったのです。


このとき、

同じようによく分からないまま使っていた

「生活の質」という言葉についても、

同じように集めてみました。


私たちは

どういうときに「自立した」と感じ、

どういうときに「生活の質が上がった」

と感じるのか。


その結果、こんなことが分かりました。

「人間は【身体】【精神】【社会】の統合体である」

という竹内孝仁先生の言葉を思い出し、

それぞれの例を当てはめてみたとき、

「自立」の例を集めたとき、

それは【身体】に関する回答が多く、

「生活の質」の例を集めたときは

【社会】性に関する回答が多かったのです。


私にとって、それは非常に興味深い結果でした。