このシリーズの始めに

「グループホームの原点」

という話をしたんですが、

原点っていったい何かというと、

やはり「認知症のケア」なんでしょうね。

少人数の家庭的な雰囲気の中で

仲間と過ごすと症状が落ち着く、という。


ただ、ここでいう「認知症のケア」とは、

認知症症状を穏やかにする、という

「ケア」ですが、これは「治療」です。

「認知症を良くする」という、

これは非薬物治療ですね。


ただ、その方法論が

少人数の家庭的な雰囲気をつくり、

そこで暮らす、という「生活」なんです。

「生活」である以上、その人の

「死」まで責任持つべきだ、というのが

「終末期まで面倒見ます」という立場の

人の考え方なのでしょう。


まあ、その考えを否定するわけでは

ないのですが、

「医学モデル」と「生活モデル」が

いっしょくたになっているのが

今のグループホームの実態なんじゃ

ないでしょうか。

どちらを採用するでもかまいませんが

まずこのことを整理しておかないと

グループホームっていったい何してるんだ

ってことになって、勤める人たちも

大変なんじゃないでしょうか



「治療の場」と「生活の場」を

分けて考えることは、

通所リハビリと通所介護などでは

すでに行われています。


通所リハビリはリハビリの場、

つまり「治療の場」であるから、

機能訓練が終われば帰りましょう、

といわんばかりに短時間のリハビリが

推奨されています。


いっぽう通所介護でいえば、

介護予防通所介護は総合事業に

移行する流れがあります。

そのなかには住民が主体となって

運営する通所介護があり、それは

通所介護という名前はついているものの、

そこで行われているのは

「地域の集まり」であり、

そこは「生活の場」の一場面です。


今言った例は国がそのように

誘導しているわけですが、

グループホームに関しては、

なんだか国のほうも

力が入っていません。


このまま衰退してしまうのか。

そのあたりの心配があるので

こちら側から声をあげていかないと

現状は変わらないのではないか。


そんな危機感を持っているのですが、

考えすぎでしょうか。


続く。