寝たきりの人が
果たせる役割とは?
ガン末期の人が
果たせる役割とは?
徘徊を繰り返す人が
果たせる役割とは?
前回はこんな問で終わったんですが、
本題に入る前に、
たしかに例に挙げた人たちに
役割は見つけにくいものですし、
仮に本当に役割が見つけられなかったら
この人らの存在は忘れ去られてしまうでしょう。
ひどい言い方をあえてすれば
居ても、居なくてもよい存在。
ここで”役割”というものを
もう一度考えてみたいと思うんですが、
私たちは「何かの(誰かの)役に立っている」
というものを”役割”と考えています。
たしかにそういう視点で考えると
例に挙げたケースでは
”役割”を果たすことは難しい。
しかし、”役割”を捉え直すことで
これらの人たちの”役割”も
見つけられる可能性があります。
実は、
こんな”役割”というものがあることを、
とある本が教えてくれました。
~~~~~以下、引用
末期の親をもつ娘の正直な気持ち。世界中の母親たちに向かって言いたい言葉である。「ママが病気になって悲しくないといえば嘘になるけど。でも、ママは生きていてくれるだけでいいのよ」
私を抱きしめ、微笑みで安心させてくれた母。おしめを替えて、清潔に気を配ってくれた人だ。怖いときにしがみついた膝も、ご飯をつくって食べさせてくれたその手も懐かしい。その人が弱くなってしまい、もう何もできなくなってしまうのはとても悲しいことだった。でも、それでも生きていてほしかった。
~~~~~(『逝かない身体~ALS的日常を生きる』より)
”ALSの母親を介護する娘の手記です。
次回、”役割”との関係の解説を試みます。