私たち介護・医療に携わる者たちは
私が今さら強調するまでもなく、
十分に「身体」・「社会」の両面に
アプローチをしている、というお話を
したいと思います。
まず、こんなお話。
たとえば、治療の甲斐なく、
終末期を迎えている人に対して
医師はこんなことを言います。
「今のうちに会わせたい人に
連絡しておいてください」と。
医師は身体面に関しての
先頭に立つ専門職ですが、
専門分野で手を尽くして
いよいよ、その体が失われて
いこうとするとき、最後に
身内や親しい人たちとのつながりを
つけてさしあげようという言葉を
発せられることが多いです。
これは、人間にとって、
身体面と同じくらい社会面が大事である
ということを無意識にでも
自覚しているからなんでしょう。
また、看護師についても、
身体面へのアプローチは当然、
患者さんの精神面のアプローチ、
…といいますが、実際におこなわれていることは
看護師自身が寄りそうことで
患者さんにとっての社会的存在になっていたり、
家族との架け橋になったり、生活環境を整えたり
というように社会的、環境的な側面への
アプローチになっています。
では、介護職ではどうでしょう。
「介護」という文字に込められている
意味を次回に紹介しましょう。