ケアマネジメントの目標は、

「精神面の向上」であるが、

そこに直接アプローチするんじゃなく、

「身体面」・「社会面」から取り組む、

といった私の考えはどうでしょうか。




なかには(あたりまえじゃん!)と

思う人もいるかもしれませんね。


そうです、とくに目新しいものじゃ

ありません。

ただし、「あり方検討会」でさえ、

「自立支援の定義は?」みたいなところで

議論がちっとも進まなかったことを考えると

ちょっと整理されてる感じがしませんか?



この私の意見を補強してくれる根拠を

いくつか紹介します。




これももっともなんですが、

要介護者のほとんどが…、

いや、全部と言っても良いでしょう。

「身体面」・「社会面」のいずれか、

あるいは両方を喪失している

というところです。




「高齢期は喪失期」という言葉があります。

イヤ、私が作りました(笑)


人の一生を考えてみてください、

生まれてからしばらくは、

親などの大人に世話にならなければ

生きていくことができません。

いわば全介助状態。



それが次第に自分でできることが

ふえていきます。

食べること、歩くこと、服を着替えること

トイレに行くこと、お風呂に入ること。

いわゆる身体的な自立ですね。


それから社会性を身につけることも

生まれてすぐにはできません。

はじめは母親との関係。

くやしいけれど父親との関係が

はじめになることはあまりありません(苦笑)

そして家族との関係。

父親、祖父母、兄弟姉妹。


やがて家の外を出る時期が来ます。

ご近所、保育園、幼稚園、学校。

そして、成人すると多くの人が

社会人になっています。


会社の中でも同期、先輩、後輩

他部署の人、他会社の人、

仕事以外のオフタイムにも

趣味やサークル活動などで

いろいろな場所に所属することって

少なくありません。

いろいろな関係を作って生きているのが

私たち人間なんですね。




それが高齢者になってくるに従い、

身体面での老化や疾病に加えて

社会的な関係性は次第に減っていきます。


身近なところでは仕事からの定年、引退

両親、配偶者、友人たちの死。

子供たちの巣立ち。


このような経験が気力の低下や

落ち込みを生むのでしょう。




このように考えると

「身体面」「社会面」の喪失が「精神面」に影響を与える、

ということが理解できるのではないでしょうか。