さて、

「自立支援できた」と

「生活の質が上がった」は、

いったい何を指してそう言うのか。


両者は同じなのか、

それとも違うのか。


みなさんはどう思いますか。

アンケートの結果では

こうなりました。



前回のことを思い出してもらうために

どんなアンケートだったかというと、

人間を構成する3要素として

「身体」・「精神」・「社会」に分類して

どのカテゴリに偏りがあるか、

ということでした。


その結果は。







ごらんのとおり、「社会」に関することを

挙げている人が多い結果になりました。




「自立支援」では、「身体」のことを

挙げている人が多い結果でしたよね。


とくに介護職員さんは「ADL」に関することが

多く挙げられていました。


しかし、「生活の質」となると、

「社会性」のことを挙げる人が

多くなったわけです。


ちなみに、ケアマネと介護職員と分けてみると


介護職員が考える「生活の質」

ケアマネが考える「生活の質」



やっぱり介護職員もケアマネも

どちらも「社会」面を挙げる人が

多かったという結果になりました。



さて、前回の

「自立ができた」というグラフと

「生活の質が上がった」というグラフを

ひとつにまとめてみますと、

下のような結果に。


四角の形があきらかに違いますね。




これだけ偏りが見られると、

「自立支援」と「生活の質」は

同じ意味を持つのかと思いましたが

そうではなさそうだ、ということが分かります。


「生活の質が上がる」と思えるには

単に「身体面」が整う、向上する、

ということではなく、

「社会性が保たれる」「社会参加が可能になる」

といった条件が必要となってくるということです。


「人間は一人で生きているわけではない」

「自分以外の誰かとの関係が重要である」

「ひとりぼっちとは人間にとって耐えられないものである」

…とまで言って良いものかどうか分かりませんが

生活の質を上げたいと思ったら、

より社会的な側面が良好でなければならない

ということは明らかになったのではないでしょうか。