先週の「軽度者の自立支援」に続き、

今日は重度者の自立支援ということで

要介護度の重い人の自立支援が

どんなケースでそう感じられたのか、

アンケートに書かれた回答を紹介します。


…とその前に。


このシリーズでさんざん紹介した

「あり方検討会」の委員の発言の中に

こういうのがありました。


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この資料で言いますと、自立支援というのが何なのか

ということなのだろうと思います。

つい先日も在宅の方ばかりが集まった40~50人の

2日がかりの勉強会で自立支援の話をしていましたら、

後からベテランのデイの管理者の方がいらっしゃって、

「○○さん、要介護5には自立支援はないんですよね」

と確認されまして、がっかりしたんですけれども、

(以下、省略)

(某大学教授、○○氏、第6回目の検討会)


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某大学教授が、とあるデイの管理者さんに

「要介護5には自立支援がない」と言われた、

というお話しだったんですが、

さて、私がとったアンケートには

要介護5の人の自立支援はあったんでしょうか?




まずは要介護4の方から。


・入所時、立ち上がり立位不安定なため、

職員2人対応にて支援を行うことがあったが、

DSにて定期的な運動・レクリエーションへ参加し、

活動的な生活を送ることにより、立位安定し、

今では手すりなど持ち、自ら立ち上がるようになった。

(介護4)


・病院入院中、1年近く病院で過ごし寝たきり。褥瘡あり。

食事のみ自立の状況。通院し、SS利用開始。

栄養マネジメント、日中離床などのケアで

2ヶ月後には褥瘡治癒。

日中は車イスで過ごし自走できるようになった。

(介護4)


・リハパン→布パンツに変更し、

尿意・便意があり、時間で誘導してこと。(介護4)


・胃ろうから口から食事がとれるようになった。(介護4)


…とまあ、まだいくつもの例があったんですが、

要介護4の方の自立も当然あるんですね。

それにしても、こんなに改善が見られると

利用者さんは当然、職員も嬉しいでしょうし、

相当レベルの高い事業所って思いますよね。





では、いよいよ要介護5の例ってあるのかな?

それでは紹介しましょう。


・骨折で入院し、退院後立位保持できなかったが、

トイレ時、立位保持できるようになった(要介護5)


・食事支援していた方が、スプーン使用し、

自ら食べられるようになった(介護5)


・発語が出るようになり、少しだが車イスの自走も

できるようになった。(介護5)


・寝たきりの状態から1年間で自立歩行でき、

介護保険卒業された。(介護5)


・誤嚥性肺炎をくり返していたが、

寝るときに姿勢をファーラー位にすることで

全くなくなった(介護5)


せっかくなので、一例も残さずに

紹介しましたけど、

数は5例と少ないですが

もちろん要介護5の人の自立支援も

ありました。

なかには介護保険を卒業された方も!




この結果は非常に大事なもので、

これで私たちは、いくら重度でも

自立の可能性が0%ではない

ということを学びました。


さらに言うと、この結果には

ある傾向が見受けられ、

それは私の仮説をみごとに裏付ける…




な~んて言ったら大げさか!




その傾向と私の仮説については、

何回か後にお話しするとして、

もう少しこのアンケート結果を

いろんな角度から考えてみたいと思います。