アセスメントをもとにケアプランを作成して、
サービス担当者会議を経て
実際に提供されるサービスが
どのようにおこなわれて、
利用者の生活にどう反映されているか、
モニタリングする一連の流れが
ケアマネジメントのプロセスですが、
そのプロセスが何を目指して
おこなわれているか、「目標」が
明確になっていることが大切です。
介護保険法では、いくつかの条文で
介護保険が目指すところが示されています。
それをケアマネジメントするうえで
目指す目標は何か?といえば、
それは「自立支援」という言葉が
ふさわしいと思います。
利用者の「自立支援」にむけて
サービスが提供されて、その結果
利用者の「自立支援」につながっているか、
検証すること。
ケアマネジメントのプロセスは
「自立支援」という目標に向かって
おこなわれていることが大切だと
思っております。
ところが、
「介護保険の目指す目標は
『自立支援』という言葉が
ふさわしいと思う」
「『自立支援』という目標に向かって
おこなわれることが大切だと思う」
と【私】は思うのですが、
実はそうではないかもしれない。
断言できない。なぜなら、法律に
「『自立支援』が目標です」と、
はっきり書かれていないからです。
もうひとつ問題があります。
仮に「自立支援」が目標だとしても
では、「自立」とは何なのか、
ということがまったく書かれていません。
だから、「自立支援」を意識して
ケアマネジメントをしているケアマネジャーも、
「『自立』とは、こういうことだろう」と、それぞれ
勝手に解釈しているのが現状なのです。
最初の問題、
「法律に『自立支援』が目標です」と
書かれていないことについては
まあ目をつぶりましょう。
今回、
「ケアマネの質の向上に関するあり方検討会」に
①介護保険の理念である「自立支援」の考え方が、
十分共有されていない。
とされていることで、「介護保険の目指す目標は
自立支援」ということで大きな問題はないと思います。
問題なのは、次に書いた
「自立」とは、いったい何なのか
それが定義されていないことが
問題なのではないでしょうか。
「自立」が定義されていないのに
「自立支援」の考え方は共有されないのは
あまりに当然と言えば当然のお話です。
自立とは何なのか、はっきりすることで
じゃあそうなるためにどう支援しましょう、
という方向が明らかになるからです。
だれかがどこかで「自立」とは何なのか、
定義を決めること。
そこがケアマネの質を向上させるスタート
だと思うんですが、
それをいったいだれがするんでしょう。
例えば、今回、盛んに登場されている
「ケアマネの質の向上のあり方検討会」では、
「自立」とは何なのか、定義を決める議論は
おこなわれなかったのでしょうか。
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