さて、

いよいよ核心に近づけていかないと

いけませんが、ずいぶん長くなってきたので、

飽きていませんか(苦笑)


さて、これからはケアマネジメントが目指す

「目標」を探す旅に出かけましょう。


ケアマネジメントは何を「目標」に

しているんでしょうか。



まず、ご存じ「介護保険法」を

紐解いてみましょう。


そもそも、なぜ介護保険ができたのか。

介護保険は何を目指しているのか。




「そんなところからやるの?」

みたいな声が聞こえそうですが(苦笑)




まあ、こういうことでもないと、

めったに振り返ることもありませんから。




(目的) 第一条  
この法律は、(省略)これらの者が尊厳を保持し、
その有する能力に応じ自立した日常生活を
営むことができるよう、必要な保健医療サービス
及び福祉サービスに係る給付を行う(省略)
もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を
図ることを目的とする。


赤字傍線部のとおりです。
尊厳を守りつつ、自立した日常生活を送る。
これが介護保険の目的ですね。




 前項の保険給付は、要介護状態等の軽減又は
悪化の防止に資するよう行われるとともに、
医療との連携に十分配慮して行われなければならない。
 第一項の保険給付の内容及び水準は、
被保険者が要介護状態となった場合においても、
可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ
自立した日常生活を営むことができるように
配慮されなければならない。


介護保険は
要介護状態の軽減もしくは
悪化の防止になるように
おこなわれなければいけない。

これはすごい言葉です。
もし悪化させてしまった場合、
これは法律から外れたことを
しているわけで、こんなこと、
全国どこでも起こっていますよね?



国民は、自ら要介護状態となることを予防するため、(省略)
常に健康の保持増進に努めるとともに
要介護状態となった場合においても、
進んでリハビリテーションその他の適切な
保健医療サービス及び福祉サービスを利用すことにより、
その有する能力の維持向上に努めるものとする。


4条は国民の努力義務。
元気な時だからこそ、要介護状態の予防や
健康の増進に努めること。明日から、
ジョギングを始めなければいけません(笑)

さらに、要介護状態になったら
サービスを利用して能力の維持向上を
はかること。
「デイサービスに行きたくないんじゃあ」
という人は、この4条違反です(笑)



 国及び地方公共団体は、被保険者が、可能な限り、
住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を
営むことができるよう、(省略)、要介護状態等となることの予防
又は要介護状態等の軽減若しくは悪化の防止のための施策
並びに地域における自立した日常生活の支援のための施策を、
医療及び居住に関する施策との有機的な連携を図りつつ
包括的に推進するよう努めなければならない。


介護保険は、国と市町村の責任で

1,2条のことを繰り返して書いています。



さて、ここまで見て、介護保険が

目指している目標とはいったい何でしょう。


解釈は、みなさん違うかもしれませんが、

私はこんな風に思いました。

「介護状態にならないようにしよう」

「介護状態になっても回復する努力をしよう」

「介護状態になっても悪くならないようにしよう」

こんな感じですか?


これをひと言で何と言いましょうか。

私は「自立支援」という言葉でいいと思うんですが

みなさんはどう思いますか?




介護保険の目標が「自立支援」であれば、

ケアマネジメントのPDCAは「自立支援」を

念頭においておこなう必要があるということです。


「そんなの、当たり前じゃん」

「そう思ってやっているよ」

という人も多いと思います。




そこです!

私が(考えてほしい)と

思っているところは。


このシリーズのきっかけになった

「ケアマネのあり方検討会」のまとめでは

第1番目に


①介護保険の理念である「自立支援」の考え方が、

 十分共有されていない。

と掲げられています。


自立支援を念頭に置かずケアマネジメントを

おこなうのはもってのほかですが、

そう思ってやっていたとしても、けっして

十分共有されていないんじゃないか。


ここが悩んでしまうところなのです。