「ただ、この中間まとめには
きちんと論議されなかったものも
あるように見受けられ、
それを抜きにしてはケアマネの資質向上の
話なんて進みっこないと思っていますので」
…と、いうところで、前回の記事を
終了しました。
今回から3回ぐらいかけて、
中間まとめがきちんと議論していない
ところを指摘したいと思います。
ここがすごく重要です^^
さて、
「介護支援専門員(ケアマネジャー)の
資質向上と今後のあり方に関する検討会」が
中間まとめを提示するために、
検討会が考えるケアマネジャーの課題を
10項目上げました。
復習のために、もう一度書いておきます。
その10項目とは、
①介護保険の理念である「自立支援」の考え方が、
十分共有されていない。
②利用者や課題に応じたアセスメント(課題把握)が
必ずしも十分でない。
③サービス担当者会議における他職種協働が
十分に機能していない。
④ケアマネジメントにおけるモニタリング、評価が
必ずしも十分でない。
⑤重度者に対する医療サービスの組み込みをはじめとした
医療との連携が必ずしも十分でない。
⑥インフォーマルサービス(介護保険給付以外のサービス)の
コーディネート、地域のネットワーク化が必ずしも十分でない。
⑦小規模事業者の支援、中立・公平性の確保について、
取組が必ずしも十分でない。
⑧地域における実践的な場での学び、有効なスーパーバイズ機能等、
介護支援専門員の能力向上の支援が必ずしも十分でない。
⑨介護支援専門員の資質に差がある現状を踏まえると、
介護支援専門員の養成、研修について、実務研修受講試験の資格要件、
法定研修の在り方、研修水準の平準化などに課題がある。
⑩施設における介護支援専門員の役割が明確でない。
というものです。覚えていますか?
ケアマネジャーを仕事とする私にとって、
とっても耳が痛い指摘ばかりなのですが、
しかし、そこには救いもあって、
このシリーズの第1回目で
「現場のケアマネジャーの責任ばかりではない」
というふうに、多数の委員の方々が
言っておられることを紹介しました。
忘れてしまった方は、もう一度、
下の記事をクリックしてみてください。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
http://ameblo.jp/method3573/entry-11808702094.html
そして、中間まとめでも、先に挙げた10個の
課題に対して、こんなことも書かれています。
「上記の課題に対応するための見直しの視点は
大きく2つあり、
『介護支援専門員自身の資質の向上に係るもの』
と
『介護支援専門員が自立支援に資するケアマネジメントが
実践できるようになる環境整備に係るもの』
といった2つの視点からアプローチしていくことが
必要である」
というものです。
①ケアマネジャーのケアマネジメント能力が高まること
と
②ケアマネジャーの仕事がうまくいくように
周辺の環境整備をすること
「ケアマネジャーの質を向上させるとともに
そのための環境整備もしていきましょうね」と、
とっても優しく言ってくれてるわけですね。
このまとめを読んで
(なんだか、怒られてばっかだった
ケアマネジャーに対して、
この検討会は優しいなあ)、
と思いましたが、これに甘えて
ばかりじゃいけませんね。
質の向上が見られなかった場合、
今度こそ、ケアマネの存在自体を
問われることになるでしょうから。
ただ、こんな優しい検討会に
私は、あえて疑問を唱えさせて
いただきたいと思います。
議事録を一通り読んでみると、
多くの委員が重要だと認識しているのに、
結論がまとめきれていない項目がある
ということです。
先ほどの10項目の課題のどれか、
です。
そして、それを抜きにしては、
ケアマネジャーの資質向上という
大目標をなし遂げることができない
んじゃないのか、と思っています。
その項目とは?
次回に続く。

