職場の人から借りた
『嘘みたいな本当の話』
という本がおもしろいです。
「嘘みたいだけど、
実際にあった本当の話」を
web上で募集して、
おもしろかった作品を
一冊にまとめた本です。
たった数行の話から
原稿用紙2枚分ぐらいの
ボリューミーな話まで
いろいろあっておもしろいです。
「真実は小説より奇なり」と
いう言葉もありますが、ほんと、
そうですよね^^
ということで、最近
(自分の身のまわりにも、
そんな話がないかな)と
探しているんですが、
昨日そういう話がありました。
ちょっと聞いてください。
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
親せきの葬儀に参列した。
私と彼はいとこ半の関係。
年齢は20歳ほど上で、
初代の興した魚屋を継いで
居酒屋まで始めた2代目だ。
彼の姉弟は4人。
上3人はみんな女。
彼が生まれたときは
「跡継ぎができた」
と大喜びだったに
違いない。
20歳年下の私が言うのも
なんだが、末っ子のためだろうか、
茶目っ気たっぷり、イタズラ好きで、
少年っぽい性格のまま、
この歳まで生きた。
サービス精神旺盛、おおらかな人で、
まわりにもたくさんの友人がいた。
たくさんの参列者に見送られていた。
私は仕事の合間をぬって
葬儀に出たので、建物の中には入らず、
ご近所の人たちと一緒に、建物の外で
坊さんのお経を聞いていた。
その日は晴れ間は見えていたが、
2月だったのでコートを着ていないと
耐えられない寒さだった。
晴れ間に油断して、コートを
用意してなかった私は、
少しでも暖かいところを…と
薄日の差すところを陣取っていた。
まわりを見ると、私と同じように
こごえている人たちがけっこういる。
坊さんのお経が始まって
15分ぐらい経っただろうか。
葬儀が始まってから、一番
強い北風が吹いたとき、
花輪の陰に隠れていた
自動販売機から
「いらっしゃいませ。
温かいお飲み物はいかがですか?」
という音声が流れてきた。
少しして、もう一回流れた。
「いらっしゃいませ。
温かいお飲み物はいかがですか?」
あまりの寒さに震える
私たち参列者にむかって、
あまりにも絶妙すぎる
タイミングで、だった。
隣にいた妻は
「花輪が揺れて反応しとるな」と、
ごくまっとうな推理をしたが、
私は、彼の自動販売機を使った
参列者へのメッセージ…、
という気がしてならない。
「ただし、お金は自分で払えよ」と
茶目っ気たっぷりに笑ってるような
気がしてならない。
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
以上、私が経験した
「嘘みたいな本当の話」でした。
「記事、よかった!」という方、クリックを。