シルバー新報からの情報です。
「要介護度改善で成功報酬」と
いうニュースが目に止まりました。
ただし、品川区でのお話で、
介護保険施設の一部、10施設
でのことです。
これは、介護度が1ランク改善すれば、
その先1年間、報奨金として2万円×
12ヶ月分支払われるという仕組みです。
介護報酬とは、施設でいえば、
介護度が軽ければ報酬が下がる
(介護の手間がかからないから)
仕組みですから、施設が努力して
要介護度が改善されても、けっきょく
施設にとっては損、という図式のため、
介護の質の向上に取り組まない
のではないか、といわれてきました。
この成功報酬というのは、制度創設時より
議論されていたことですが、なかなか
実現に至ることがなかったものです。
記事では、「何を持って『質が高い』
『成功』というかについてはいまだに
決着がついていない」というのが
成功報酬の制度をつくる障害に
なっている、といっています。
これに対して、品川区では
「いろいろな議論があるのは知っているが、
まずやってみること。サービスの質について
外から評価されているという視点を
職員が持つことは大切」と言っているそうです。
「衰えていくことを認める」老化推進派^^の
私としては、介護度が悪化していくことは
すべて悪である、という姿勢に反対です
(延命治療や無理やエンドレスリハビリなどの
発想につながりかねないですから)そのいっぽうで、
ご本人たちの「元気になりたい」・「世話をかけたくない」
という願いを否定する立場でもありません。
ですから、この「成功報酬」の考えには
賛成です。介護の質の向上への
モチベーションにもなり、介護給付費も
抑制されれば、保険料の値上がりも
鈍化できる可能性がありますからね。
ただ、そうなると、介護度を決める
「要介護認定調査」や「認定審査会」の
精度を高めなければいけないでしょうし、
介護度が改善しそうな人ばかり優先入所させる
ようなことへの対策などの抜け道封じを考えるとか、
いろいろな課題が出てくるような気もします。
ただそれも、今回の「成功報酬」の仕組みを
やるから課題も出てくるわけで、
品川区がいうように「まずはやってみること」
が大切だな、と思いました。
本来は、報酬云々は置いといて、
「利用者が元気になること」がモチベーションに
なればいいんですけど、こういう仕組み作りも
もっともっと作られればいいな、そう思いました。
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