自己負担制度を導入したものの、
医療費の増加は止まらないことが
明らかになったドイツの医療保険。
それどころか、自己負担を導入した
ために、その弊害がありました。
その弊害とは、ひとつには、
通常の保険請求とは別に、
別な事務手続き、つまり
患者さんへの請求業務が
増えたことによって、事務が
煩雑になったこと。
まあ、これは日本では、現在
当然に行われていることですが。
さらには、自己負担ができたことによって
受診をあきらめるようになった人が増え、
あきらめた人の多くは低所得者。その数、
高所得者の倍の人数になったそうです。
保険料を払って、いざというときに
助けてもらおうとというのに、
自己負担が増大すれば、保険に入る
ことのメリットは薄れます。
そもそも、医療費が増加していくのは
本当に自己負担がないから、だったのか。
それとも、それ以外の理由(高齢化が進む、
など)なのか、その分析なしに導入を
決めたのは間違いだった、と総括しました。
ただ、残念なお知らせをすると、
この政策転換の背景には
近く総選挙が控えているため、
人気取りのひとつ、とも
言われているそうです。
また、景気が回復してきたために
社会保障制度の見直しができた
ということもあるのですが、
今、日本では、社会保障の削減ばかり
叫ばれている中、介護保険のお兄さん
であるドイツの、この政策転換の行方は
今後も注目していく必要があると思いました。
(おわり)
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