2ヶ月ほどの入院を経て今日、
奥さんが戻ってきました。
そして、ご主人の斉藤さん(仮名)も
もうじき家に戻ることができます。
斉藤さんの家は、ご本人と
奥さんの2人暮らし。
斉藤さんは認知症があって、
一人暮らしは難しい方です。
2ヶ月ほど前、奥さんが骨折で
入院されていました。
手術も成功し、リハビリも順調で
3ヶ月の予定が1ヶ月早く退院
することができました。
斉藤さんは奥さんが入院している間、
ショートステイのお世話になっていました。
奥さんは退院したのですが、
介護の自信がつくまで、ということで
もう少し、奥さんが自宅の生活に
慣れてから斉藤さんが戻ります。
でも、退去の目鼻はついてきました^^
「田中さん、ちょっとこれ見て」。
奥さんが机の上に置いていた
白い封筒を私に見せてくれました。
ちょっと折れ曲がった封筒の
表には、お世辞にもきれい、とは
言えないけど、一生懸命書かれた
様子がうかがわれる「意志書」との
文字が。
(「意志書?」…)
「なか、見させてもらっても…」
「ええわいな、そのために出しただけ」
奥さんは笑って言いました。
言葉の雰囲気から(遺言か、
何かかな)と思って見てみると、
「私は延命治療は望みません」と
いった内容の文章が綴られていました。
「どうですかな?これで言うこと、
聞いてもらえるだろうか」。
「そうですね、でも遺言だったら、
きちんと遺言を残してくれる…」
「いや、そこまでのことじゃ
ないだけ」。
そうか、大げさな話じゃなく、
自分の気持ちが形で残れば
いいということだな。
この前の「エンディングノート」
と同じだ^^
「こういう気持ちを残しておかれたら、
子供さんたちも迷わないですむと
思いますよ」と言うと、奥さんは
「お父さんが帰ってきたら、
書いといてもらおうと思っとるだけ」
と、にっこり笑顔でした。
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