さて、
前回は「認知症のアセスメントって
難しくないですか?」というところで
話が終わりました。
ちょっと訂正します(;^_^A
身体的なことでも、
認知症においても
同じことが言えると思います。
アセスメントは、現在どうなっているか
というところを見ることも大切ですが、
「昔どんなことをしていたか」というところを
知っておくことも大切なことです。
例えば、その方が毎年どこかに旅行に
行ってた、というほどの旅行好きだったら
「元気になって○○に行けるように
リハビリに頑張りましょう」とか、
球技をしていた経験がおありなら
ボールを使ったリハビリを取り入れるとか、
水分補給がなかなか難しい人には
昔からの好みの飲み物を提供したりとか、
グループホームに入るとき、その方が
不安にならないように、昔から
使っていたタンスや家族の写真や
位牌などを部屋に持ち込んだり、と
そうやって「個人の趣味・嗜好・人生歴」を
知っておくと、ケアがやりやすくなったり、
その効果が全然違ってきます。
ただ、「昔どんなことをしていたか」を知るのは
なかなか難しいところがあります。
認知症のある方ならば、「こんなことをしてたよ」
って、うまく伝えられない人もいます。
短絡的に、昔していたこと、
好きだったことを、ただやればいい、
というのも危険です。
できなくなったことで落ち込んだり、
頑張ってもできない、ということも
あるからです。
そのあたりは、「ご本人の性格」を
知っていなくてはいけませんよね。
このように、ご本人の性格、趣味・嗜好
人生歴を知ることは、現在の状況を
知るのと同じくらいに大切なことなのです。
でも、くり返しますが、そういうことを
聞き出すのは、なかなか難しい。
家族や知人に聞こうとしても、
すべてが分かるわけではない。
そこで、石黒先生が作られた
ノート です。
このシリーズ、月曜日の時から
引っ張っていたことを
忘れそうになっていました(笑)
このノートは、「認知症になったら
自分はどんな風に接してほしいか」
を書き留めておくノートです。
出生時から現在まで、
どんなふうに育ち、何が好きで、
どんな性格であるかを書いて
おけるようになっています。
家族にも分からない自分の生い立ちや
ものの考え方や、どんな風に介護
してほしいか、自己申告しておくわけです。
今、「エンディングノート」なるものが
話題になっていますが、それの
認知症版、というところですね。
ところで、思い出してください。
介護保険法4条「国民の努力及び義務」では
「その有する能力の維持向上に…」とありました。
そのために、今できることは、自分が有していた
能力(=趣味・嗜好・性格など)を、ぜひ書き残して
おいていただきたい。
(書くのって大変だし…)と思われると、
「努力不足だ」と言われますよ(笑)
よりよく介護を受けられるための
「自己防衛」でもありますよ。
月曜日の動画 は見られましたか?
ああいった介護を受けることができるんです。
本を買わなくても良いと思うので、
「有する(有していた)能力」を、
ぜひ書き残しておいてくださいね^^
もちろん、買ってみても良いですけどねv(^-^)v