腸の蠕動(ぜんどう)運動を
促す薬を「峻(しゅん)下剤」と
呼ぶのに対し、「緩(かん)下剤」
といわれる種類の下剤があります。
峻下剤は短時間に強く効き、
緩下剤は緩やかに効く、という
感じでしょうか。
緩下剤の代表が「カマ」「カマグ」
と呼ばれる「酸化マグネシウム」です。
緩下剤がどういう風に効くかというと、
これがおもしろいんです^^
大便をもよおすためには
「便の量を多くする」
「腸の蠕動運動を促す」の
2つがあるといいました。
この2つのうち、緩下剤は
「便の量を多くする」ほうに
作用するんです。
では、どうやって多くするかというと、
酸化マグネシウムは水分を
引き寄せる作用があります。
便の75%は水分、と書きました。
けっこうな割合ですよね^^
便秘の場合、硬い便であることが
多いですが、見るからに水分が
少ないことが分かりますよね。
したがって、酸化マグネシウムが
便の中に含まれると→そこに水分が
吸着されて→便の量が増え→腸壁を刺激し、
→排便を促す、ということになるのです。
どうです、おもしろくないですか?
ちなみにカマグを服用するときの
注意事項として、大量の水と
一緒に飲む必要があるそうです。
理にかなっていますよね。
反対に、少量の水でカマグを服用しても、
効果はあまり上がらない、ということに
なります。
別な視点でみていくと、
酸化マグネシウムは、水分を使って
便の量を増やすだけだから、
薬を使わなくても、便の量を増やすことが
できればいい、ということになります。
そのためにはどうすればよいでしょう。
まず、水分をしっかりと取る。
ただし、体に十分な水分がないと、便に
割り当てられる水分がなくなりますから、
ふだんから水分補給には気をつけて
水分不足にならないようにしなければ
いけません。
そして、その他の便の成分、
消化されない食物繊維の豊富な
食材を多く摂る。
また、腸の運動を活発にするには
腸内細菌が快適にいられるように
することや、ふだんの運動を
しっかりしておくことが大切な
ようです。
排便の時にきばる、つまり腹圧をかける
必要がありますが、そのときはある程度、
腹筋が必要となってきます。
それだけの体力も必要なのです。
あと、自律神経がきちんと働くように
規則正しい生活、ということも
必要になってきますよね。
こうしてみると、
「うんちは健康のバロメーター」とか、
よくいわれますが、便の色や形状を
みるだけでなく、便がきちんと出ている
こと自体が健康な証拠、ともいえますね。
反対に下剤に頼っているケアを
しているところは、ふだんの体調管理を
もう一度見直す必要があるのかな、と。
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