こんな在宅復帰は許されない…





うちの上司は、県内の事業所むけに

認知症ケア実践の講師をしています。



事業所が提出する、ある利用者さんのケアを

半年程度かけてみんなで一緒に考える、

という研修です。



夜間せん妄がなくなった、

調理ができるようになった、

会話が増えた、など

多くの改善例が見られるそうです。







あるグループホームの利用者さんの

話です。



その方は、夕方になると「帰りたい」

という訴えが激増し、そのつど

なだめても落ち着かない。



この方が認知症ケア実践のアドバイスの

おかげで見当識が改善し、調理の役割が

生きがいになった姿に、スタッフみなさんが

驚かれたそうです。







ただ、この話には続きがあって。







来月、この方は老人保健施設に

入所されるそうです。



グループホームと同じ系列の

老人保健施設に。



3ヶ月の老健入所ののち、

ふたたびグループホームに

戻ってくるそう。



これ、どうしてか、分かります?



老人保健施設の在宅復帰率を

上げるためです。







老人保健施設には「在宅復帰・

在宅療養支援機能加算」という

加算があります。



入所されているなかで、在宅に

戻られる方が一定の割合あると、

介護報酬の加算が受け取れるわけです。



老人保健施設は在宅復帰のための施設

という位置づけで始まったものの、

十分にその機能を果たしていない施設が

多いために、このような加算を始めた、

と私は思っています。



在宅復帰と認められるものに

グループホームへの入居も

含まれています。

グループホームも在宅サービスの

ひとつだからだと思います。



今回、グループホーム→老人保健施設

→グループホームという流れは、

この在宅復帰加算を取るために

在宅復帰率をむりやり上げている

のではないか、とうちの上司は

たずねました。







その受講者は、返事できなかったそうです。



救いだったのは、「これだけ元気になったので、

機能を落とさないようにしてほしい」と、

老健施設の担当者に強く言った、ということです。



それまでは、同じようなことがあっても

何の疑問も持たなかった。

でも、ケアの力でここまで元気になった方が

法人の方針で住まいを替えさせられることに

疑問というか、不満というか、憤りを

スタッフみんなが感じられたようです。







この研修を主催している県の担当者も

「こんな実態があることを知らなかった」

といいます。

国に報告してくれることを望みたいです。







こんな、お年寄りたちを食い物にするような

やりくちを、絶対許してはいけないと

思いました。



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