今日は高齢者・介護サービス関係の
情報がたくさん掲載されている
シルバー新報から。
厚生労働省がこのたび
デイサービスでの宿泊サービス
実施モデル事業の結果を報告
しました。
宿泊デイとは、日中はデイサービスを利用
してもらって、デイサービス以外の時間は
宿泊施設に泊まっていただくサービス。
自宅には帰らずに、24時間施設にいることに
なるので、結果的にショートステイと同じ機能の
介護サービスです。
ただ、宿泊施設は介護保険制度の
範囲ではないため、人員・設備などの
基準がなく、つまり、極端な話、
「6畳の部屋に4人が泊まる」みたいな
こともできてしまうわけです。
宿泊施設の基準がないために
ハードルが低いのか、この形態で
参入する事業者が爆発的に増えている
ということが、ここ数年話題になりました。
事業者が増えて、利用者さんの選択の幅が
広がるのはいいんですが、基準がないために
劣悪なサービスを提供しているのではないか、
といった評判も少ない、というのが私の実感です。
この評判を受けて、厚生労働省は今回の
モデル事業を行ったのかどうかは
定かではありませんが、実際に利用した
利用者家族、ケアマネジャーの評価は
結論から言うと、「○」のほうが多かった
ようです。
どういった理由で良かったのかというと
「ショートステイより慣れ親しんだデイでの宿泊」
というのがいちばん多かったようです。
ショートステイを利用したいが
行ったことのない施設に泊まるストレスを
考えると、いつも行っているデイサービスに
泊まることの抵抗感は少ないのでしょう。
このことは環境が変わることで症状を
現してしまうことの多い認知症の人に
とっても当てはまるでしょうね。
ただし、このモデル事業の結果に
「ちょっと待った」と言わせていただければ
今回モデル事業に参加した事業所は
プライバシーの確保や宿泊スペースに
一定の基準をクリアしたところばかりで、
利用回数の制限もあり、連泊は2泊3日まで、
という条件があったようです。
おそらく制度化すると、こんな利用条件を
定めてくるのだろうと思われますが、
介護保険制度もなかった頃に宿泊デイと
同じようなサービスを提供していた、
とても熱心で良心的な事業所も少なくなく、
そういうところにとっては、制度化が
足かせになった結果、事業を規制したり
するような動きも出てくるのかもしれません。
実際に「制度化反対」を訴えているところは、
そういう危機感も持っているわけです。
制度は誰に対しても万能ではない。
運用する人の問題、なんですよね。
でも、今度の改定で宿泊デイは
制度化されるかもしれませんね。