しばらく話をしていると、
娘さんからこんな話を聞いた。
「最近、朝、おばあさんの部屋に
行くのが恐くって」と娘さん。
ときどきトイレを失敗して
ポータブルトイレのまわりが
汚れているそうだ。
要介護2だが、自分のことは
自分でできていたおばさんが
少しずつできないことが増えている
ようだ。
いつも、身なりはきちんとしていた
おばあさんだったから、その変化は
娘さんに多大なストレスを
与えているのかもしれない。
娘さんがもうひとつの
悩みを口にした。
それは、同居している長男夫婦にいる
3歳の子供のこと。共働きの2人に代わって
子守りをするのも娘さんの仕事だ。
そのことで、昨日、おとついと続けて
長男、次男にそれぞれダメ出し
されたそうだ。
ダメ出しというと、聞こえが
悪いかもしれない。
長男、次男の本心は
娘さん、つまりお母さんのことを
気遣って…の言葉だからだ。
2人して口裏を合わせたかどうか、
分からないが、2日間にわたって
「お母さんは体が大切なんだから
大事にしてよ」と言われたそうだ。
「すごい!優しい息子さんたち
じゃないですか」という私に
「違うのよ」と娘さんは言った。
(次回へ続く。)