「急で、悪いですが…」
娘さんの急なお願いだった。
ちょ、ちょっと難しいかもしれない。
1週間前の、急なショートステイは
なかなか空いていないことが多い。
予想どおり、いつもお願いしている
ショートステイ先は先約でいっぱいだった。
いつも、きちんきちんと前もって
連絡をくださる娘さんだったのだが
今回、1週間前の依頼というのは、
どんな急用だろうか、と思いながら
いくつかのショートステイ先に
あたってみたら、ようやくひとつ
見つかった。
まずは一安心。
電話でその旨返事をして、
その日の夕方に訪問した。
変更した月の計画書を見てもらうと、
娘さんは慌てた顔をして
「あれ?あれ?」と言った。
「どうしました?」と尋ねると
「27日。27日まで泊まるように…」
計画書では27日に帰る予定にしていた。
しかし、娘さんは27日まで泊まって
28日に帰るように、と考えていたようだ。
(たしかに27日まで、だったよな)と
思いながら、その場で連絡をとり、
もう1日延ばしてもらうことを
ショートステイ先にお願いして、
「じゃあ、もう一度直してきますね」
という私に、娘さんは
「ごめんなさい、ごめんなさい。
何度もやり直させて」と言った。
「最近、混乱してしまって
何から手をつけていいか、
分からなくなってしまって…」と、
まくしたてるように娘さんは言った。
いつもは笑顔を絶やさない娘さんの
様子が、今日はおかしかった。
しばらく話をしていると、
娘さんからこんな話を聞いた。
(つづく。)