「知りながら害をなすな」。
みなさんは、この言葉をご存じですか。
昨日の記事の続きになりますが、
(こんな生活を送りつづけると
こんな風になることが予想される)
と、思うことがあります。
ごく分かりやすい例を言うと、
「こんな暴飲暴食を続けると
体をこわすよ」みたいなことです。
この例は一般の方でも
簡単に想像できるようなもの
ですが、
専門職と言われる人たちは
その専門的な視点で見て
近い将来起こりうることを
予測することができますよね。
ターミナル状態の患者さんを見て
医師が(そろそろだな)と感じる。
医療・介護の世界でなくても、
家主が考える住みにくい家の設計を
設計士はみすみす放置しない。
私なら「こうしたほうがいいですよ」と
アドバイスしてほしい。
例えば、そういうことが言えるか、
と思います。
「知りながら害をなすな」。この言葉は
ドラッカーの『マネジメント』という本で
「プロフェッショナルの倫理」ということで
紹介されています。
「プロフェッショナルたるもの、
『知りながら害をなすな』よ」と
いうことです。
ちなみにこの言葉の基となるのは
医師がこころすべき精神として
今も受け継がれているヒポクラテスの
言葉だそうです。
専門家は専門家だからこそ、
見えてくるものがある。
そして専門家であるがゆえに
それを相手に伝えてあげるのが
専門家としての倫理である。
そのことで反発されたり、
無視されたり、関係が悪くなったり
したとしても、相手に害を及ぼすだろうと
考えられることは教えてあげるのが
プロフェッショナルとしてのモラル…。
なんですね。
使命、と言い替えても
よいかもしれません。
「反発されたり、無視されたり」と
言いましたが、できればそうならないように
してあげるのも大切なことですよね。
「ほ~ら、言わんこっちゃない。
だから言ったのに」って偉ぶるのは
人としてどうかと思いますから^^
でも、専門家としての助言に対しての
相手の反応というのは、もうコントロールできない
ものになりますね。コントロールしてしまったら、
それは「強制」になってしまいますからね。
これは、前に私がまとめた
「ケアマネジメントの根っこ」に
書いたものを読み返して思ったことです。
2年前に書いたものなんですが
「良いこと、書いてるよなあ」と
自画自賛した次第です(笑)
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