要介護認定の調査に行きました。

行った先は、私が担当している方。

この間、介護変更の申請をされて

役場から調査を頼まれたのでした。


90歳近い女性です。

長年要介護1でしたが、この

冬の間に体の動きが少しずつ

悪くなってしまったためでした。


調査項目のひとつに「簡単な調理」とあります。

ご自身で炊飯、弁当・レトルト食品の加熱、

即席めんの調理など、簡単な調理ができるか

どうかを問う項目です。


このときに介護されている娘さんが

ポツリといいました。

「今になって思えば、何かさせてあげれば

良かったと思うんですけどねえ」


お母さんから調理を取り上げてしまったことを

後悔しておられる様子でした。




私はこのとき、調査員から

担当ケアマネの頭に切り替わりました。


(そのあたりを助言してあげれば

よかったなあ)と思いました。


いえ、そのあたりをまったく無視していた、

というわけではないと思います。


「家のことで、できるところはやって

もらってくださいね」。家事ができそうな人には

必ずこんな言葉を言っているはずです。


実際に、女性は洗濯物の取り込みや

洗濯物たたみをやっておられました。


ただし、背中が強く曲がった「円背」の状態で、

立ち仕事は長くは続かない様子でした。


また、私が担当させていただいた頃から

すでに調理は娘さんの仕事でもありました。


ですから、私もそのことをあまり強調して

いなかったとは思います。


家事に関することって、とてもデリケートで

それぞれの家庭の事情があって、なかなか

口を挟みにくいものでもあります。

しかし…。




やらないことはどんどん低下していきます。


その危険性を承知しているのは

何人もそういう人たちを見てきた

私たち介護の専門家と言われる人たちです。


いっぽう、家族にとっては、私たちに比べて

そんな経験をするのは圧倒的に少ないのです。

初めての場合も珍しくありません。


「こういう生活を続けると、こうなることが

予測されますよ」。


こんな言葉が言えるかどうか。

言ったとしても伝わっているかどうか。

ましてや、そういうことを専門職として

イメージできているかどうか。


こんないくつかの壁を乗り越えて、

ひとつひとつ丁寧にできることが

専門職としてすばらしい、と言えるの

かもしれませんね。




「記事、よかった!」という方、クリックを。

   ↓↓↓           ↓↓↓
正しいケアマネの歩き方  ~ケアマネタマゴが贈るケアマネ道!~-ブログランキング にほんブログ村 介護ブログ ケアマネージャーへ