(前回は>>>こちら。)


また、こんな話もありました。

昨日言ったように、労働はいわば「労働力の贈与」

です。100%の労働力を提供して50%の

報酬を得られた場合、残りの50%は事業所なりに

「贈与=贈り物」をしているわけです。


この「贈与」を苦痛に感じると、こんなことにも

影響していきます。それは「子育て」です。

子育ては、自分のお金や時間をとられます。

その苦痛に耐えられなくなると、子育て放棄を

したりします

子供が独立して見返りがあれば「得」という考え方も

ありますが、それはとても不確実なものですし、

結果が分かるまでは、大変長い時間を要します。


お店で物を買う「等価交換」の世界では、お金を出せば

すぐに欲しいものが手に入りますし、クレジットの世界では、

なんと大事なお金を手放す前に欲しいものが手に入ります。

つまり、「『損』をする前に、『得』を手に入れられる」という

恐ろしい世界になっています。


つまり、「等価交換」に慣らされた現代人は

長期間「損」をして、その見返り(「得」)を待つということが

とても苦手になってきている、とも言えます。


結局、子育てを含めた教育は、見返りを求めない

贈与の話であって、そこに等価交換の基準は

なじまないわけです。


さらに言うと「介護」は、その先の見返りなんて

皆無に近いですよね。等価交換で考えれば、

介護は贈与、贈与、贈与…なんですね。

そして、お返しがないことに堪えられなくなり…。

続きは言うまい(苦笑)


介護を続けられる家族は、「贈与」を惜しまない

性質を持ち合わせているか、昔にたくさん

「贈与」してもらっていて、今、その貯金を少しずつ

取り崩しているみたいなことなんでしょうね。


また別の見方をすれば、介護保険が浸透する前、

家庭で介護するのが当たり前だった頃は、

「贈与」するのが当たり前だったのが、

介護保険になって「サービスを買う」という、

まさに「等価交換」の価値観が家族という

共同体の中にも入り込んできている、

ということかもしれないですね。

そうせざるを得ない事情もあるから

仕方ないことなんですけどね。




うまく介護の話にもっていけたかな?(笑)





さて、私の娘の話に戻りますが、

彼女の「等価交換」を望む姿を目にした私は、

何をしたかというと、圧倒的な力で

「歯みがきしてなかっただろ!」と

怒り狂いました(笑)

大きな負債を抱えさせてやりました。


「等価交換」なんて、とんでもない。

世の中、「等価交換」できない大事なことがある。

このことを叩き込んでおかないと将来

この子にとって、きっと良くないだろうと思って…

のことです。


…というわけで、現在のこの時点で、私は

「娘に嫌われる」という負債を抱えることが

決定的になってしまうわけですが(笑)、

「子育ては贈与」だと思えばまったく

苦痛ではないのです。

このことで、彼女が少しでも素敵な人間になれる、

つまり、「彼女の財産」になれば良いわけです。


もちろん、

(その「財産」を将来の私のために使ってほしい)

なんて、よこしまな気持ちはちっとも

持ってないですよ(笑)




(終わり。)



ずいぶん前に読んだ本なので、

記憶違いがあったらごめんなさいm(_ _ )m

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追記;内田樹先生の書評を見つけたので

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