この間、TVに分子生物学者の
福岡伸一先生が出ていました。
福岡伸一先生のことは、
分子生物学というと、なんだか
とっつきにくい感じがしますが、
先生の本は叙情的な表現が満載で、
まるで小説を読んでいるかのような
気持ちになれ、同時に分子生物学の
知識も得られてしまう優れものです。
ま、もっとも、分子生物学というものの、
どこまでの範囲が書かれているのか、
私に判断できる基準はないのですが(苦笑)
TVの中で、先生は「動的平衡」という
言葉を説明なさっていました。
たとえば、時計のような機械は、
ひとつひとつの部品がそれぞれの役割を果たして
時計の機能を成り立たせています。
したがって、部品のどこかひとつでも
欠けてしまうとバランス(平衡)を崩して
時計の機能は果たせなくなってしまいます。
ところが人間を含めた生物一般は、
体のどこかひとつの細胞が欠けても、
それを補う別の何かが働き、生物として
生き続けることができる。
それは生きている(動的)から、
なんだそうです。
生物は細胞やその成分が少しずつ入れ替わって
今ある状態を維持しています。
つまり、生物は一時も止まっていることがなく、
動いていて、その中で異変に気づいた時、
リカバリーする働きが可能になるわけです。
(と、解釈しました^^)
また、リカバリーできない状態の
最終形態が”死”なわけです。
(ということですよね?福岡先生^^)
時計は生物ではない。つまり(静的)ですから、
部品が壊れたときのリカバリーが
できないわけですね。
また、ついでのことを言うと、
生物としての体を相手にしている医学は、
体の仕組み、内臓のひとつひとつを
部品として見ているところがありますから、
生物の、このような原理にそぐわないことも
多々あるような気がしました。
医学が批判されるところの理由のひとつに、
こういうところもあるのではないか、と
思った次第です。
あ~、ひさしぶりに難しいこと、書いちゃって
肩が凝りました(笑)
「記事、よかった!」という方、クリックを。