(前回は>>>先立つものは )
グループホームを立ち上げるには
入居する人が4人必要です。しかし、
入れる人は3人しかいませんでした。
申請書を提出するリミットは
近づいてきました。
ある日、施設長である下川さん(仮名)から
こんな情報がありました。
同じ法人の入所施設に
2ヶ月ほど前に入った人がいる。
近隣の市に住んでいたその人は
一人暮らしをしていたが、
工場をリストラされて住まいを失い、
現在は緊急的に入所している。
グループホームができれば
今まで住んでいた場所からも近いし、
どうだろうか。
そんな情報が入所施設からあったのです。
しかし、やっぱり金銭的な条件が
障壁になりました。
赤字になる生活をさせてまで
グループホームに入居してもらうことは
ありえません。
もちろん、作業所に勤めてもらっても
その給料だけでは生活費は足りません。
なんとか、この人のために
できることはないか…。
考えた末に出した結論は
「とにかく一般企業で
就職できることをを探す」と
いうことでした。
真っ先に考えた方法は
地域のタウンページで探すこと、
でした。
工場はこの地域にもいくつかあります。
バイクは運転できる、ということだったので、
グループホームの予定地から通える範囲の
工場をタウンページ片手に片っ端から
電話をかけていきました。
できれば、彼が長年勤めていた工場と
同じようなことをしているところが良いけど…
「今、求人をしていないか?」
「私はこういう者で、こんな人がいるのだけど」
求人してなければ話も聞いてもらえませんが、
求人していても、「障害がある人は雇ったことがない」
という理由で断られたときは凹みました。
ただ、諦められませんでした。
きっかけはグループホームを立ち上げるためだった
かもしれませんが、もうそんなことはどうでもよく、
その人が再就職できて、息苦しい施設生活から
抜け出せれば…と思っていたのです。
ちょっと、かっこつけたかな?(笑)
(続く。)
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