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さて、最初に団塊ジュニアの古市さんは

「これからどうなっていくのか不安」と言い、

その具体的なもののひとつとして、

「親が死ぬのが怖い」と言います。


それは「悲しい」のではなくて

「怖い」んだそうです。


いっぽう上野先生は、親が死ぬことに

”怖い”と感じるのが理解できないと言います。


上野先生は、「自分は親を看取って

肩の荷が下りた」と言うのです。

子の役目として、順番どおり親を看取ったから、

次は自分の番である、だからいつ死んでもいい、

と思ったんだそうです。


古市氏は、なぜ、”怖い”と思うんでしょうか。


古市氏は、両親との関係が

「仲の良い親友みたいな関係」だと

言いました。


10歳過ぎにちょっとした反抗期は

体験したそうですが、生まれてから今まで、

一貫して、仲良く暮らしていたそうです。


おそらく「勉強しなさい」のような

小言もなく、かといって冷めた関係でもなく、

言葉どおりの「親友みたいな関係」なのでしょう。


さらに言えば、親友である以上に、

親は経済的に支えてくれる人です。

自分の生活の根幹である経済を

保証してくれる人なのです。


イヤな小言を聞くこともなく、

生活の安定を保証してくれる存在。


「パラサイトシングル」という言葉が流行りましたが、

年齢的に成人しても、親元を離れない人が増えたのは、

親に経済力があることはもちろんですが、

一緒に過ごすことが苦ではない親であることや、

就職難で自立できるだけの収入が得られないことが

理由として上がるでしょう。


経済的に豊かな団塊世代に

よく見られる家族形態なのかな?


さらに上野先生は団塊世代について、

こんな分析もしていました。


団塊世代の5割は農家出身者で、

経済的な庇護を親から受けていない。

自分が受けてこなかった分、子供には

できる限り、そうしてやりたいのだ、と。


日本の産業が農業から商工業へシフトして

高度経済成長を遂げる過程の中で、

団塊世代は社会人となり、経済的に

豊かになっていきました。


上野先生は、この団塊の世代を

「いわゆる成金」と言いました。


貧しかった幼少期に不自由したことを

自分の子供には味あわせたくない。

自分ができる限り支援してやりたい。


豊かな経済にどっぷり浸りながら、

親はどこまでも子供を守ろうとして、

子供も暖かい環境から抜けられない。


そう考えると、晩婚化の理由も

納得できるような気がします。


守られる存在に満足しているから

あえて守る存在になろうと思わない、

ということになるんでしょうね。


さて、問題なのは、そういう関係が

そろそろ終わりに近づいている、という事実。

いつまでも守ってくれる親ではない、ということ。


親にとっても子にとっても居心地の良い関係は、

親が老化し介護が必要となり、

やがて亡くなっていくことで崩れていきます。


このことを想像してみると、

(悲しい)ではなく、(怖い)ということなんですね。


言ってみれば、(怖い)という感情の中には

(自分の生活が危うくなる)という自分のことを

中心に、心配する(怖さ)ということになるでしょうか。




みなさんは、親の死が(悲しい)ですか、

それとも(怖い)ですか。



(続く。)



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