この前お話しした「日本と韓国の幸福感」。
それには”儒教的思想”が影響している
のではないか、と書きましたが、
それに関連するお話を2つだけ
紹介したいと思います。
先日、紹介した『新日本人に訊け!』
からの引用です。
あらかじめお断りしておきますが、
この文章は儒教的思想のマイナス面を
紹介しているように私は読んでいます。
この内容は儒教的思想のほんの一部だと
思いますので、そういう前提で
読んでください。
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小林 「『スカートの風』を読むと、韓国の男尊女卑社会は日本とは比較にならないほど強烈だと感じますけど、それもやはり儒教の影響なんでしょうね。結婚しても女性は戸籍に入らないという制度は、もうなくなったんですか。」
呉 「今は戸籍に入りますが、女性の姓は変わりません。たとえば私が金さんと結婚しても、名字は呉のまま。数年前から法律はかなり女性が有利になるように変わりましたが、習慣のほうが圧倒的に強いので、何かあったときは女性が非常に不利です。たとえば、子供はみんな男性の名前になりますから、離婚したときに女性が連れて出ることができません。法律上は、経済力のあるほうが保護者になることになっていますが、現実には今までの習慣に従って男性側の家族が育てるケースが大半です。」
小林 「あの本には、「韓国の女性は60歳以上の完成された男性を好む」と書いてありましたよね。それを読んで、「おっ、わしもこれからは韓国に行けばモテるかな」と思ったけれど(笑)。」
呉 「年齢はともかく、韓国人女性は「完璧な人」を好むんですね。金銭的にも社会的にもすべて完璧で、自分を丸ごと預けても安心できるような男性。そうするとどうしても年配者、ということになるんです、だから、日本でヨン様が大人気になったとき、韓国の中高年女性たちは「日本人女性って、本当に理解できませんね」と言っていました。ヨン様のようになよなよした男の何がいいのか、彼女たちにはさっぱりわからないんです。」
小林 「日本人のおばさんたちにとっては、あれが「完璧な優しさ」だけどね(笑)。」
呉 「韓国では、むしろイ・ビョンホンのほうがウケがいいんです。強そうで、頼りがいがある。これは男尊女卑社会の名残なんですが、やはりお金も権力も持っている男性が理想。しかし日本人の場合、表面上は男中心社会のように見えるけれども、実際は女性が権力を握っていたりするでしょう。」
小林 「うん、裏では圧倒的に女が強い(笑)。」
呉 「亭主関白と言う言葉もありますが、実態は、かかあ天下のもとで亭主関白が成り立っているところがあるじゃないですか。全国各地を歩いて調べると、日本はものすごく母系社会的な傾向が強い。その上に、男社会が乗っかっているだけです。だから、ひと皮むくと、とても女性が強い社会になっている。母性本能をくすぐるヨン様のような男性タレントがウケるのもそのせいではないでしょうか。」
小林 「だからヨン様にはウエイトリフティングなんかしてほしくないね。一時、筋肉美を誇ったことがあったけど。」
呉 「彼は彼で、韓国ではコンプレックスを感じていたんですよ。だから、男らしい男になりたくて、筋トレをした。それで写真集を出したら、日本人女性からも「あれは見たくなかった」と言われてしまいました。」
小林 「ヨン様は、やっぱりセーター着てマフラー巻いてたほうがいいね。」
(『新日本人に訊け!』飛鳥新社)
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日本で夫婦別姓論議が
盛り上がったことがありました。
今でもそうでしょうか。
そのときに「韓国では夫婦別姓である。
だから男女平等である。日本もそれに習う
のはどうか」という意見があったように
記憶しています。
ところが事実は真逆のようですね。
「婿取り」という言葉がありますが、
女性が生まれた家に男性を迎えるのは、
韓国や中国では見られないことだと
聞いたことがあります。
女性ばかり生まれて、男の跡取りがない家は
どうなるのか、といえば、血のつながっている
親せきの男性を養子として迎えるそうです。
「男尊女卑は儒教的影響」なのかどうかは、
知りませんが、日本と韓国、似ているようで
違うところも多いですね。
介護やケアマネの話から大きくそれますが(苦笑)、
もう一回だけ書かせて^^