さて、この幸福感調査の中から、
幸福感の理由を自由記述されたものを
カテゴリー化して、出現頻度と内容を
比較したものを紹介します。
介護を肯定的に受け止めているものとして、
【介護に喜びを感じる】という記述は、
日本(15.6%)・韓国(11.1%)ともにありました。
おもしろいのは、【介護による良い影響を実感する】
というカテゴリーが日本32.2%あるのに対し、
韓国では0%だったことです。
このカテゴリーは、
「介護をして貴重な体験をしていると思う」
「心が広くなれたような気がする」
「介護していれば自分に返ってくると思う」
「リハビリのおかげで少し歩けるようになった」
「介護を通して心から話せる友達ができた」
というように、「介護することで得られるものがある」
と考えていること、です。
韓国では、そう思える人が少ないのは
何か訳があるのでしょうか。
さらに【疲労・負担・不安を感じる】という
カテゴリーは日本が16.7%に対して
韓国50.0%と高くなっています。
その結果、幸福感の平均値は
日本の介護者のほうが幸福感が高い
という結果となっていました。
論文の考察では、「日本では、社会資源を使い、
情緒的にも支えてくれる存在を得ようと
対処を行っていたのに対し、韓国ではストレスを
感じながらも一人でそれに耐えていく」
「韓国では日本と比較し、インフォーマルサポート
(特に情緒的サポート)に関する内容が
少なかったことからも、孤独に介護を行っている
状況がうかがえた」
「介護は家族が行うべきであるという儒教的思想
のもと、韓国の家族介護者は介護において
周囲に支援を求めることなく、介護を自分の
役割と認識しながら孤独に介護を行っている」
としています。
なるほど、これは韓国の介護保険制度が
まだ始まっていないときの調査であり、
日本でも、介護保険以前に調査をしていたら、
韓国のような結果になっていたかもしれません。
私も実感しますが、日本の介護保険制度は
国民の多くに認知されている制度となり、
介護者の負担感を少なくしていることを
改めて確認することができました。
韓国の介護保険、「老人長期療養保険制度」は
2008年から始まっています。
日本より儒教的思想の影響が強いと言われる
韓国でも、国の責任において行われる介護保険を
日本のようにスムーズに受け入れているでしょうか。
時間があったときに調べてみたいと思います^^
今回お世話になった論文に興味を持った方は
全文が読めるようにリンクを貼っておきますね^^
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