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鳥羽先生のお話で強調されるのが、

「時間への畏敬」という言葉です。

本を読んで、私はこの言葉が

とても印象に残りました。


分かりやすいところとして、

以下、著書から引用します。


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アンチ・エイジングの場合は、ある時期、とにかく美しくいたいと考え、さまざまなエクササイズをしたり、サプリメントを飲んだりする。それでは、70歳、80歳になったらアンチ・エイジングはどういう提案をしてくれるのかといえば、そこまでの年齢になればもういいじゃないですか、というわけだ。


(中略)いまの50代、60代の女性といえば、アンチ・エイジングのメインのターゲットといていいだろうが、50代だけを取り出して美しくなろうというのは、医学的には無理がある。


たとえば姿勢が悪いのは美しいとはいえないから、腰が曲がったりしないように注意するのは当然だろう。そのためには十分な骨の量が必要になる。骨は20代の後半までに増やさないと、あとは貯金できない。50代、60代まで美しい姿勢を保つには、20代で理想体重より少し多めの体重が必要だ。つまり、20代のころから50代、60代に備えなければならないのだ。


現在の20代はやせている女性が非常に多い。この40年間で、若い女性のBMIが平均で2下がったのである。女性はスラッとしてやせていることが美しいとされていて、みんながそうなろうと努力したのだ。


骨の量は体重に比例するから、いまの若い女性は40年前の女性に比べて骨の量が少ない。さらに30代、40代でもアンチ・エイジングで美しくいようとすれば、やせようとするだろう。これでは50代、60代になったときの姿勢の美しさは保証のかぎりではない。


(中略)美しさや健康が、一生を通してどう守られていくか、その視点に立って、アンチ・エイジングは提供されなければならないはずだ。ところが、現在横行しているアンチ・エイジングは、単なる「瞬間の謳歌」であり、「時間軸への畏敬」が、まったく欠けている。


(『ウィズ・エイジング』鳥羽研二 グリーン・プレス)


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また先生は、日本人は昔から

時間を意識して過ごしていた、

と著書に書かれています。



日本には1年の間に移り変わっていく四季があり、

1週間足らずで咲いては散っていく桜に思いを寄せ、

季節ごとに旬の食材を使って料理を作る。


「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどめたるためしなし。」(方丈記)


「祇園精舎の鐘の聲、諸行無常の響あり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰のことはりをあらはす。」(平家物語)



世の中にはひとところに留まっているものは

何一つなく、これからもそうである。

今は栄えていても、いずれ没する時がくる。

私の命は先祖から受け継ぎ、子孫へ渡すものである。


この世はそういうものであることを

日本人は昔から知っていたんですね。


だから、今あるこの時間を大切に思い、

感謝し、頑張るわけですよ。

時間に対して「畏敬の念」を持つのです。


よって、「いつまでも若くはいられないよ」という感覚は、日本人なら、みんな知っているはずなんですよ、きっと。




         時は金なり

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