さて、少しずつ「第10回日本ケアマネジメント学会」
のことを書いていきましょう。
まずは開会あいさつで厚生労働省の課長の
あいさつがありました。
学会があった6月16日の前日、15日に介護保険法改正法案が可決され、来年4月1日に施行されることはご存じの方も多いと思います。
内容はというと、「24時間対応で行う「定期巡回・随時訪問対応型訪問介護看護」」、「訪問看護と小規模多機能型居宅介護を同一の事業所で運営できる「複合型サービス」」といった新しいサービスが始まりますが、厚労省のあいさつでは「今回の改正は地味な改正」と言いました。
なるほど、私もそう思いました。
なにせ、前回平成18年度の改正では、要介護者と要支援者のケアマネジメントやサービスを分けた「新予防給付に伴う介護予防ケアマネジメント」、要介護状態にならないための「地域支援事業」、グループホームや小規模多機能型居宅介護は市町村が管理する「地域密着型サービス」、介護サービスを民間が調査・公表する「介護サービス情報の公表制度」、市町村に設置された相談機能である「地域包括支援センター」などなど、華々しい制度改革があった、という印象があります。
それだけ混乱した、という側面もありますが(苦笑)
それと比べると、今回はなんとも地味な改正であるな、というのは納得できます。
厚労省は今回の改正についてそういう印象を持っているわけです。
そして私は、その言葉を聞いてこう思いました。
「もう制度はいじりようがないのではないか?」ということです。
過去から現在までのパッチワークのようにつぎはぎしてきたところの矛盾をメンテナンスしなければならないとは思いますが、高齢者介護のサービスの(仕組み)については、ほぼ出尽くしてしまっているのではないか、と思いました。
では、なぜこんなに問題があると思われているか、というと、ひとつは(中身)だと思います。
つまり、自立支援が可能となり、尊厳を守ることのできる(サービスの中身)が今ひとつなのだ、ということです。それはもちろん、私のようなケアマネジャーのケアマネジメントについても同じだと思います。
このことは、記念講演でお話しされた岡本祐三氏(国際高齢者医療研究所)もおっしゃっていました。「ケアの方法論、ケアマネジメントの標準化モデルを作るべきだ」と。
他には(財源)も問題だと思いますが、これは経済の問題も影響してくると思いますので置いておきます。
中には「使いにくい制度だからダメなんだよ」と怒られる方のご意見も理解しないわけではないんですが、少なくとも私は、まずは自分の力のなさを疑ってみることだけは失わずにいきたいと思います。
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問題のレポート、
『誰も語らなかったケアマネジメントの”根っこ”補強版』