(おじいさんが活き活き仕事してるんだから、
やらせてあげればいいじゃない)と、
思うのですが、きちんとした仕事に
なっているかどうか、素人の私には
まるっきり判断がつきません。
さて、どうしたものか…。
おじいさんはデイサービスでは見せないような
活き活きとした表情で、どんどん摘果していきます。
息子さんは、おじいさんの仕事を見つめながら、
おじいさんから「早うやれ!」と言われない
程度に、しかし、摘果バサミを使うことなく、
仕事を続けていました。
そんなおじいさんと息子さんが
少し距離を置いた頃。
息子さんに近づいて話しかけてみました。
「おじいさんを畑まで誰が連れてきたんですか?」
「おれ。」
へっ!?
「おじいさんの仕事、ちゃんとできてるんですか?」
「(^^)(^^)(^^)…」。
また、あの、無言の笑い…。
判明しました!
おじいさんは多分「戦力」です(笑)
おじいさんに世話が焼けるなら、
連れてこなけりゃいいじゃん!
でも、そう浅はかな話でもないようでした。
「梨によって、違うだけ。」
詳しいことはよく分かりませんが、
梨にもいろいろな種類があって、
赤梨と青梨でも違う、とか、
そういうことでした。
実の選び方が違う、ってことかな?
でもまあ、この木の間引きは間違っていない、と。
「コーヒー、飲みならんかえ?」と、
息子さんはパックのコーヒーを手渡してくれました。
休憩しながら、おじいさんといろいろな
話をしました。
あ、私は仕事をしていないので、
ずぅ~っと、休憩なんですけどね(苦笑)
この梨の木は、始めは水分が多くて、
他の農家は辞めてしまったけど、
我慢して残しておいてよかった、とか
息子たちはキュウリをやっているけど、
金にならないので、リンゴを植えた方がいい、
とか。
90歳になっても、仕事のことを
考えて、生きられるって素晴らしいな、
と思いました。
「こうして、横になって空を見るのが
と~~っても、気持ちええだな」
梨の木の横で若葉から漏れてくる
優しい陽を浴びながら、
おじいさんは目をつぶりました。