ケアマネジャーは介護保険サービスの入り口になる人ですから、生まれて初めて介護保険を使う人とお話をするのがとても多くなります。
サービスを使う前にケアマネジャーがすることは「アセスメント」。その人が生活する上でどんなことに困っているか、どんな生活をしたいか、ということを聞き取る作業のことです。
でも、ただ聞き取る、ということだけではいけません。困っている原因は何か、生活しにくくしている要因は何か、どうすれば改善するか、というところまで突きとめなくてはいけません。そうすることでケアプランがたてられるわけです。
逆に言うと、アセスメントをきちんとしないと、とんちんかんなケアプランになってしまいます。
医者に例えると、お腹が痛いと言っている患者に、何の検査もせず痛み止めを出すようなものです。その患者は腸閉塞になっているのに。
国は「課題分析標準項目」というものを示していて、「アセスメントするには、これと、これと、これとを聞き取ってくださいね」と言っています。
まあ、結構な数の項目を聞き取るようになっているんですけど、初対面でこれだけのことを聞き取るのは至難の業ですね。
なんせ、相手は「ヘルパーを頼む」「デイサービスを頼む」と言って、そのつもりでいるわけですから。「口の中はどうなっていますか?」なんて質問をすると「何の関係があるの?」っていうことになるわけです。
ま、もっとも、そういうことも聞かず、「ヘルパーですね、じゃあ、明日から」なんて言うケアマネも多いのが大変困るんですが…。
もっと言うと、これらの項目を網羅できるように、「アセスメントチャート」というものが数種類あります。MDSだとか、全社協方式だとか、いろいろありますね。なかにはこのチャートを埋めればアセスメントできてしまうって思っている人も多い。
でも、それは状況を書き込むだけであって、なぜそうなったか、というところまでは分からない場合が非常に多いのです。
なぜそうなったか、というのを突きとめることが非常に大切なんですけどね。
課題分析標準項目を漏れなく聞く。さりげなく聞く。コテコテしないでスマートに聞く。それができる人は格好良く見えますね。
先月は新規の方がとても多かったので、アセスメントもいろいろ考えながらやりました。
前置きが長くなったので今日はこれぐらいにして、どんな感じで私がアセスメントをしているか、思い出しながら書いてみたいと思います。
こういうことを書くのは、結構プレッシャーだったりします^^;