患者や利用者に「~さま」をつけて呼ぶようになったのは、2001年「医療の質の向上に関する指針」というものが始まり「だったそうです。」
「…だったそうです。」というのが気に入らないため、少し検索してみました。すると、
原文にたどり着くことは、なかなか難しい作業のようです。
ですからこれで我慢、と。
これによると「患者様と呼びなさい」ではなく、「姓のあとに「様」をつけることが望ましい」となっているようです。
つまり、「田中さん」ではなく、「田中様」と呼びましょうよ、ということのようです。「患者様」ではないんですね。
それは置いときます。
また、こうすることで「接遇の面で質の向上を図りましょう」としています。
接遇については、私たちの職場でもいろいろ議論をしました。医療現場や介護現場でなくても、これに努めている企業もあることでしょう。
「接遇」「マナー」とか言って、あいさつの仕方、電話のかけ方・受け方、来客の対応から笑顔の作り方や身だしなみなどなど、ここでは挙げきれないほどの内容があるようです。
だけど、私は、あまりこういうものに依存しないほうが良い、という立場です。
接遇について考えていた頃でした。
論語の解説本に、こんな一文がありました。
原文は漢字ばかりなので、訳された文を書きます。
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泰伯第八
「表面上いくらうやうやしく振る舞っていても、礼の心がこもっていなけりゃ、ただのペコペコと変わりない。慎み深く振る舞っていても礼の心がこもっていないと、オドオドと変わりない。勇敢に行動していても礼儀に叶っていないと、ただの乱暴行為と変わらんし、実直に行動しているつもりでも礼儀にかなっていなければ、頑固な行為と変わりない。つまり礼の本質は心にあるんだ。」
(『高校生が感動した「論語」』佐久協 祥伝社新書)
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私たちは、人生の先輩でもあるお年寄りたちに、尊敬の念を持って接することが大切なのは言うまでもありません。
また、サービスを提供する立場の人間が、サービスを受ける立場の人間より上に立つようなことがあってはならないのは当然です。
そのためには礼を尽くさなければなりません。
しかし、礼を尽くすときに一番大切なのは
型ではなく心である、ということを言っているのです。
これを読んで、「接遇マニュアルではダメなんだなあ」と思いました。
「相手を尊重する心を持つためには、言葉遣いも大切なものだ」
という意見もあります。
それはそれで“なるほど”と思います。
言葉は、言霊(ことだま)と言って、言葉自体がとても強い力を持つものだ、と日本では考えられています。
しかし、だからといって、「~さま」と言えば患者さんや利用者さんが尊重されていく、なんて私には思えません。
むしろ、言霊の力という意味においては、「~さま」と呼ばれることで呼ばれるほうの権利意識(受け身の立場である)ことが強調されすぎて「モンスターなんとか」になる危惧のほうが強くなるんじゃないかと。
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